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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic30プライソン・スカリエッティ〜Infinite One〜
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ながら黒煙の中からゆっくりと歩き出て来た。

「俺は不老不死として造られ、お前は人間からテスタメントとして昇華され、苦しい思いを続けている。正直、俺よりお前の方が悲惨だ。2万年? 気が狂いそうになるな、聞いただけで。だから理解してくれるだろう? 同じ自身の終焉を望む者として」

その言葉に思わず「そうだな・・・」と返してしまった。アイリは『マイスター?』と不安そうな声を出した。ハッとして口を噤むが、どうしたって奴の気持ちが理解できてしまう。

「ほら見ろ。馬鹿な奴は不老不死に憧れるが、こんなものは地獄でしかない。大切な物を手に入れても、時間の流れの差異で手の平から零れて行く」

違うと、そう否定できない俺が居る。俺も多くの手を振り解いてきた。好きだと言われた娘たちの想いを踏みにじり、仲間だと肩を組んだ友との絆を断ち切ってきた。そのたびに思っていたさ、どうして俺がこんな目に、と。それでもシェフィ達や“堕天使エグリゴリ”の魂を解放する、そう固く決意してこれまで存在してきた。

「だから予言しよう、神器王。将来、お前は必ず仲間を裏切り、そしてその仲間から裏切られると」

「なにを・・・?」

いきなり突拍子もないことを言い出す奴に「・・・ありえない」そう言い返すものの、現状が既に裏切っているようなものだ。強くは言い返せなかった。奴は「嘘が下手だな!」と笑い声を上げて、展開した魔法陣上で四股を踏んだ。

「もっと素直になれよ、神器王!」

――鉄化鬼体――

そして今度は全身が赤錆色となり、「ふんっ!」足元の床に右拳を打ち付けた。鋼鉄の床を貫通させた奴の魔力が「増大している・・・?」ことに気付いた。

――煌き示せ(コード)汝の閃輝(アダメル)――

とにかく、何をしているかなど後回しにして砲撃を放つ。すると奴は床から右腕を抜き、そのまま裏拳で砲撃を弾き逸らした。

『何かしらのドーピングの可能性あり、だね』

「ああ。奴の体、さらに赤みを帯びているし、僅かに電気を放っているようにも見える」

――舞い振るは(コード)汝の麗雪(シャルギエル)――

試しに凍らせてみようと氷槍を20本と撃ち込むが、そのどれもが着弾時に一瞬にして融解した。

「お前が自身の存在意義としている願望――全エグリゴリの救いは、万人にとってはなんてことはないが、お前と親しい者にとっては受け入れ難いものだからだ」

――舞い降るは(コード)汝の煌閃(マカティエル)――

いちいち胸に刺さるような事を言いながら、一足飛びで俺へと高速で突っ込んで来た奴へとダメージ優先の光槍40本を一斉射出すると、その全てが辺り一面に弾き飛んだ。これまで以上の魔力を込めたにも拘らず、1本足りとも通用しなかった。あの体の変化が
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