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SAO−銀ノ月−
共闘
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脳内でキリトが欲しがっていたものがありありと浮かんでいく。

「ナイスな申し出すぎて、こっちから頼みたいぐらいだ」

「交渉成立ね。ふふ、リズったら相談には乗ってくれるのに、自分がプレゼントされるなんて思ってもいないんだから」

 どうやらキリトへの贈り物の中身はリズにも相談しているらしいが、同性の意見も聞きたいのだろう。その気持ちは本当によく分かるが――とまで思ったところで、ふと、あることに気になってしまった。

「なんでキリトにプレゼントを?」

「え……と、秘密だよ?」

「ああ」

 どうせこの共同戦線からして秘密裏のものであり、このまま墓の下まで持ち帰られるべき共闘のため、秘密などというのは今更だ。それでも改めて秘密などというので、頷きながらも何が来るかと身構えてしまう。

「そんな大した話じゃないってば! 今度、キリトくんがプレゼントをくれるって言うから、そのお返しってだけ」

「参考までに、キリトが何をプレゼントする気なのか知ってるか?」

 ――本当に、参考までに、気軽に聞いたつもりだった。キリトは恋人にどんなものをプレゼントするのか、ちょっとした意見を聞くつもりだった。それがアスナに見たことのないほどの頬の紅潮をもたらし、垂れてきた前髪によって目が隠れるほどに顔を伏せて沈黙するような、そんな事態になるなんて想像もつかなかった。

「…………指輪」

 ――そして長い沈黙の果てにアスナから答えられたのは、こちらの思考回路をショートさせるに相応しい答えだった。

「ゆ……ゆびっ!?」

「声が大きいってば!」

 声を裏返らせて聞いたことのない高音を出した俺を、アスナもまた見たことのない形相で必死で止めにかかる。お互いに冷静になってキョロキョロと周りを見渡し、誰も話を聞いてないと確認しホッと一息つく。

「指輪ってことは……その、そういうことか?」

「……うん。ショウキくんは、リズに贈らないの?」

 ――いや、さらにアスナから必殺の一撃が放たれた。せき止めようにも思考回路は動き出し、リズに指輪を贈る自分の姿が脳内に映しだされて、熱気が頭に昇ってくる感覚が支配する。そんな妄想を振り払おうとしながら、平静を装いながら返答しようとしたがダメだった。

「いや……いや? いや!?」

「……リズの指輪のサイズ、聞いておいてあげようか?」

「勘弁してください」

 ……こうして、多少なりともからかわれながらも、なんとかアスナとの共同戦線が開かれていた。


「随分と遅くなっちゃったわねぇ……」

「もう暗いですね」

 そしてユイやオーグマーの助けもあって、なんとか課題を終わらせた俺たちを待っていたのは、もうすっかり夜となってしまった景色だった。今
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