暁 〜小説投稿サイト〜
『2つの南天』
『団栗』

[8]前話 [2]次話


逃げ惑いながらも理不尽に虐げられる日々。
1日1日が長くて耐えられなくなってく。

秋になり、川沿いには山から落ちてくる団栗が沢山あった。
意味も無くクヌギばかり集めた。
何日も何日も同じ事をした。
アナタも私と同じようにクヌギだけを集め出した。

ふと、数えてみることにした。
600個を超えた頃、2人同じ事を考えた。
クヌギが多いわけじゃなかった。
場所を変えて、クヌギを集めた。
そう、666個にする為。

六つ葉は、さすがに666本集めることが無理だった。
無謀な数だとは解ってたけど、執念と意地があったから諦めれなかった。
そのおかげで66本は見つかった。
でも、666じゃないと意味が無い。

アナタと出逢う前、神社にある「むくろじ」を666個集めたことがあった。
種は羽根つきに使われ、実は少量の水の中で潰すとシャボン液になった。
その種だけを取り出し、666個集めて恨むべきアイツの死を祈り続けた。

少しの不幸がアイツを襲った。
でも全然満足できない。
まだまだ祈り続けなければ私の願いは叶わない。

クヌギこそ666個に辿り着ける。
でも、簡単に集まるものじゃダメ。

アナタが、クヌギ666個に、父親の愛人への殺意と祈りを込めた。
数日後、県外に出た愛人は事故に遭った。



[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ