暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
悪意こそ救いを求める
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た。突き付けたリストにわざと穴を開け、そのアバターが最後に確認された地点に人員を配置する、待ち伏せの形だ。

その場に現れなかったら、更なるサブアカウントがある可能性があり、そこから捜査の手を広げなければならないが、何のことはない。あの少女は始終、閣下の手のひらの上だったのだ。

―――でも。

ストルは路地の角から顔だけ覗かせ、大通りのド真ん中で泣きじゃくっているインプの少女と、それをあやすように胸に抱くケットシーの少女を見た。

「……あー、まいったなぁ。こーゆーのズルくない?」

たはっ、と軽い調子で微笑みを漏らす少女は、そのままの流れでメールウインドウを出した。

彼女は少し考え、宙空に浮くホロキーボードを叩く。

そこには、こう書かれていた。

『このままじゃ、私達が《悪》ですよ』

メールを送った少女は、う〜んと大きく伸びをする。

返答は気にしない。そんなもの、見るまでもなく分かっているのだから。

ストルは天空に手のひらを仰ぎ、その華奢な指の隙間から零れてくる朝陽に目を細めた。










許すという事は、強さの証である

――――マハトマ・ガンディー
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