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マイ「艦これ」(みほちん)
第29話(改1.3)<敵ながら>
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「敵ながら天晴れよね!」

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マイ「艦これ」「みほちん」
:29話(1.3)<敵ながら>
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「悔しいけど敵ながら天晴(あっぱ)れよね」
暁は急に立ち上がると胸を張って言った。

 ここは鎮守府本館1階、夜の食堂だ。時計は既に日付をまたいで深夜1時だった。臨戦態勢になっているが警戒水準は先ほどよりも引き下げられていて今のところ平穏である。

そして夜だと言うのに昨晩、出撃していた暁と彼女を取り巻く第六駆逐隊の艦娘たちが、いつまでも盛り上がっていた。

 昨晩の海戦は、どうなったか? と言えば、あの後も日向と利根は現場海域で敵の深海棲艦と、しばらく対峙していたのだった。

 しかし敵はその後、意外にも何もせず静かに日本海沖へと立ち去って行った。日向や利根たちに背中を見せながらも余裕タップリで立ち去った深海棲艦たち。

そんな奴らを見ながらも日向や利根は追撃すら出来なかった。疲労し負傷していたとしても悔しい限りだ。

基地に戻った利根は、ぼやいた。
「戦闘するよりも睨み合っている方が疲れたのじゃ」

そうだろう。その敗北感にも似た精神的ダメージは大きい。

 もっとも沈着冷静な日向と、あまり深く悩まない利根だから良かったともいえる。そういう意味では的確な人選だったか。

「実際もし、あれから敵が更に攻撃していたら?」
日向や利根で持ち堪える事は不可能だったに違いない。むしろ余裕を見せて立ち去った深海棲艦の不敵な笑みが今後の苦戦を予兆させるようだった。

「もし3発目を受けたら、この私が身を挺して利根を守るつもりだったのよ」
暁は、なおも胸を張って演説を続けている。そう、利根の部隊には暁も加わっていたのだ。

「すごいのです」
電が手を叩く。

「あなた寝なくて良いの?」
食器を片付けながら雷が横槍を入れる。

「もうすぐ寝るのです。でも戦況報告を聞くことも大切な勉強なのです」
そう言いながら電は私のほうを向いた。

「司令、そうですよね」
ニコニコしている。

「あ、ああ」
いきなり振られて私もちょっと驚いた。しかし鎮守府に長年居るせいか電は理屈をこねるのはうまいな。

「艦娘がそうなのか? この美保鎮守府がそうさせるのか?」
私は口に出してみた。

普通の海軍なら、こういう緩さは許されないだろう。彼女たちを見ながら改めて思った。

 しかし暁をはじめ艦娘たちの前向きな姿勢。これは何ものにも代えがたい武器だ。それに負け戦にもかかわらずアッケラカンとしていた利根。最後まで冷静に戦線を守り抜いた日向。貴重な艦娘たちだ。

 残念ながら今日の戦果
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