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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第三話 本土からの使者
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香は海原少将にそう言った。すると、海原少将が言った。

「簡単な話さ。君と佐世保第十三鎮守府は深く関わっているからね」
「関わっているって……確かに私はあの鎮守府の元提督に家族と友達を殺されて、右腕も失わされたけど………」
「いや、それだけではない」

次の瞬間、海原少将が信じられないことを言った。

「……君の父親は私の先輩であり、『佐世保第十三鎮守府の初代提督なのだよ』」
「「「「「!?」」」」」

海原少将の口からでた衝撃的な事実に、凰香達は驚愕する。
それもそうだ。凰香の父親が海原元帥の先輩であり、あの鎮守府の元提督だったということを、娘である凰香自身知らなかったのだ。だが海原元帥の言う通り、確かに凰香と佐世保第十三鎮守府は深く関わっていた。
すると時雨が海原少将に言った。

「それは……本当のことなのかい?」
「ああ、本当だ。私が凰香君を知っていたのも、まだ幼い凰香君と会ったことがあるからね」

海原少将がそう言ってくる。しかし表情は真剣そのものなので、本当のことなのだろう。
すると防空棲姫が比叡に聞いた。

「……比叡さん、あなたは凰香の父親に会ったことがあるの?」
「……はい、よく知っています」
「……そうなの」

比叡の話を聞いた防空棲姫が今度は凰香の方を見て言った。

「……凰香、どうするの?どうやらあの鎮守府とあなたには深い因縁があるようだけど」
「…………」

凰香はすぐに答えずに海原少将を見た。すると海原少将が言った。

「……どうかあの鎮守府にいる艦娘達を救ってくれ。この通りだ」

海原少将がそう言って、次の瞬間凰香達に頭を下げてきた。海軍のトップの一人が一般人の少女に頭を下げるなど前代未聞だ。榛名と夕立、時雨と比叡、そして深海棲艦である防空棲姫までもが頭を下げてきた海原少将に眼を丸くしてしまっている。
だが海原元帥がそこまであいてくるということは、それだけ艦娘のことを大切にしているのだろう。
しかし、凰香はすぐに首を縦に振ることができなかった。それもそのはず、凰香にとって佐世保第十三鎮守府に所属する艦娘は親と友人の仇だ。その仇を救ってほしいなど、都合の良すぎる話だ。
凰香は少し間を空けてから、海原少将に言った。

「………少し考えさせてください」
「……わかった。では、明日改めて聞かせてくれ」

顔を上げた海原少将が頷く。凰香が時計を見ると、時刻はすでに20時を回っていた。

(もうこんな時間)

凰香がそう思っていると、防空棲姫も同じことを思っていたらしく、海原少将と比叡に言った。

「……さて、今日はもう遅いからお二人ともここに泊まっ
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