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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第三話 本土からの使者
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みの中のお茶を一口飲んで言った。

「……あの愚か者が更迭された後、大本営から新たな提督が着任するはずだったのだ。しかし、そこで問題が起きてしまった。………佐世保第十三鎮守府に所属する艦娘がその提督を『半殺し』にして追い返してきたのだ」
「な、なんですって……!?」
「ど、どういうことですか!?」

海原少将の言葉を聞いた夕立が驚愕し、榛名が海原少将に詰め寄る。
すると比叡が榛名に窘めるように言った。

「榛名、落ち着いて」
「……ごめんなさい、比叡お姉様」
「いや、いい。君がそうなるのも最もだ」

申し訳なさそうにする榛名に海原少将が気にしていないというような感じでそう言う。そして少し間を空けてから言った。

「私は半殺しにされた提督に事情を聞いた。するとその提督は艦娘に『自分達は人間達に協力する気も関わる気もない。鎮守府は自分達だけで運営するから、必要以上に手を出すな。また、少しでも不穏な動きを見せたらどうなるか………わかるよな?』と、『提督代理』を名乗る片言を使う艦娘に言われたそうだ」
「そんな……金剛お姉様、どうして………」

海原少将の言葉を聞いた榛名が信じられないといったような表情になる。
すると海原少将が言った。

「榛名君と夕立君を除いた君達ももうわかっていることだと思うが、この比叡もあの鎮守府に所属していてな。あの愚か者の恐怖に耐え切ることができずに鎮守府を脱走し、仲間である艦娘に粛清されたのだ。まあこの子は奇蹟的に轟沈せずにボロボロの状態で私の鎮守府の前に倒れていたところを、私達が助けたというわけだ。
「とはいえこの子も我々人間にかなりの恐怖心を抱いてしまってな、私達にあの鎮守府での出来事を話そうとしてくれなかった。そしてこの子がその話をしてくれたのは、榛名君と夕立君があの鎮守府から脱走した直後………つまり防空棲姫を撃破してから10年後だったのだよ」
「……ごめんなさい。私がもっと早く話していれば、こんなことには………」

海原少将が話し終えると、比叡が今にも泣き出しそうな表情で謝ってくる。
それを見た凰香は言った。

「……もう過ぎたことだからいい。それよりもなんで一般人の私に頼んでくるの?正規の提督なんてまだたくさんいるでしょ?」
「それなんだが、その事件以来誰もあの鎮守府に着任したがらなくなってしまってな。今現在艦娘達だけで運営している状態なのだ。だが、あそこは他の海域に比べ強力な深海棲艦が出現しやすい。そのため司令官無しでは苦しいところがある。だから提督を着任させなければならないのだ」
「それはわかってる。私が聞きたいのは、『どうして私がその鎮守府の提督にならなければいけない』ということよ」


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