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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第三話 本土からの使者
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た。
それを見た防空棲姫が言った。

「まあ今の私はこの子の保護者みたいなものだから、こちらからあなた達をどうこうするつもりはないわ。………でもあなたの言う『頼み事の内容』によっては、ただでは済まさないわよ」

防空棲姫がそう言って、四基の高角砲型生体ユニットを出現させる。高角砲型生体ユニットは目の前にいる二人を威嚇するように唸り声を上げる。
すると海原元帥が言った。

「……そうか。とりあえず私が君に頼みたいことの内容を話すとしよう」

海原少将がそう言って、湯呑みの中のお茶を一口飲む。そして口を開いて言った。

「……君は佐世保第十三鎮守府を知っているかな?」
「………!」
「「「「!?」」」」

海原少将の口から出た予想もしていなかった言葉に凰香はピクリと反応し、時雨と防空棲姫、榛名と夕立は驚愕する。
佐世保第十三鎮守府………それは時雨を除いたメンバーにとって忌まわしき場所である。
凰香は佐世保第十三鎮守府の元提督が立てた作戦によって家族と友人、そして自身の右腕を失い、防空棲姫は仲間と自分達の恩人を傷つけられ、榛名と夕立はあの鎮守府の中で恐怖によって支配された。
時雨も直接の関わりはないものの、凰香を傷つけられたことで怒りを抱いていた。
すると凰香達の反応を見た海原少将が言った。

「……知らないはずもないか」
「………ええ。忘れるわけないわ」

海原少将の言葉に防空棲姫が忌々しそうにそう言った。実際、凰香達は二度とその鎮守府の名前を聞きたくなかったのだが、ここであの鎮守府の名前が出たということは海原少将の頼みたいことにあそこが関わっているのだろう。
凰香はそのことを海原少将に言った。

「……あの鎮守府の名前を出したということは、あなたの言う頼みたいことに関わっていると見ていいですね?」
「察しがいいな。凰香君の言う通りだ」

海原少将が頷き、凰香達を見回してから口を開いて言った。

「黒夢凰香君、君に『佐世保第十三鎮守府の提督になってもらいたい』」
「………はい?」

海原少将の頼みたいことの内容を聞いた凰香は耳を疑った。
この女性は一般人である凰香に佐世保第十三鎮守府の提督になれと言ってきたのだ。これにはさすがの凰香も耳を疑わざるをえなかった。
すると時雨が言った。

「……海原少将、君は何を言っているんだい?今あの鎮守府に提督はいないけど、なぜ凰香があの鎮守府の提督にならなければいけないんだい?」
「いい質問だ、時雨君。君の言う通り、今あの鎮守府には提督がいない。………だが、問題はこのあとなのだ」
「どういうことだい?」

時雨が首を傾げる。
すると海原少将が湯呑
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