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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第三話 本土からの使者
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いよ」

申し訳なさそうにそう言う艦娘に、コンバットナイフを鞘に納め買い物袋を拾い上げた時雨がそう言った。
凰香達は扉を開けて中に入ると、榛名と夕立に買ってきた荷物を仕舞うのを頼み、凰香は白い軍服の女性と艦娘を連れて執務室へと向かう。その後ろを時雨と防空棲姫がついてきていた。
凰香達が執務室の中に入ると、凰香は白い軍服の女性と艦娘をソファに座らせ、凰香と時雨はその対面に座った。すると扉が開いて人数分の湯呑みを載せたお盆を持った榛名と夕立が入ってきた。

「どうぞ」

榛名がそう言いながら湯呑みを目の前に置いていく。そして全員の前に湯呑みを置くと、榛名夕立は凰香の後ろに控えるように立った。
凰香は湯呑みの中のお茶を一口飲むと、白い軍服の女性に言った。

「………で、あなたは一体誰ですか?」
「私の名は『海原凪(うみはらなぎ)』。地位は少将。横須賀第二鎮守府の提督を務めているものだ。そしてこの子は私の秘書艦を務めてくれている金剛型高速戦艦の二番艦『比叡改二』だ」
「比叡です。どうかよろしくお願いします」

海原少将がそう自己紹介すると、比叡が頭を下げてくる。
すると防空棲姫が真剣な表情で凰香に言ってきた。

「……凰香。この女は海軍のトップの一人よ」
「!」

防空棲姫の言葉を聞いた凰香は軽く驚く。すると時雨が海原少将に言った。

「それで、海軍の元帥がここに何の用かな?」
「なに、少し君に頼みたいことがあるのさ」
「私に?」

凰香は首を傾げた。なぜ海軍の将校である彼女が、ただの一般人である凰香に頼み事をしてくるのかがわからなかったからだ。それは凰香だけではなく、時雨と榛名、そして夕立も戸惑った表情を浮かべていた。
すると次の瞬間、防空棲姫が真剣な表情のまま実体化して凰香達の前に姿を現した。
当然彼女達からすれば突然何もない空間から『災厄』こと防空棲姫が姿を現したように見える。そのため比叡は驚愕し、海原少将は驚愕しなかったものの表情を強張らせていた。

「………はじめまして海原凪少将。私は防空棲姫。『災厄』と言った方がわかりやすいかしら?」

防空棲姫が笑いながらそう言うが、警戒心を剥き出しにしているため、眼は全く笑っていなかった。
すると、防空棲姫の姿を見た海原元帥が言った。

「……驚いた。まさか『災厄』が本当に生きていたとは」
「あら、やっぱり海軍の中では私は死んだことになっているのね」
「ああ。だが艦娘達が『街中で防空棲姫の姿を見た』と恐がってしまっているのでね。半信半疑であったが、艦娘達の言っていたことは本当だったようだ」

海原少将が苦笑いしながらそう言ったものの、顔には冷や汗を浮かべてい
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