第三話 本土からの使者
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開いてくれた。そして佐世保第十三鎮守府で行われていたことを私に伝えてくれたのだ。だからあの鎮守府で行われていた不正を暴き、あの愚か者を更迭することができたのだ」
「……そうだったんですか」
海原少将の言葉を聞いた凰香は怒りが収まったわけではないものの、とりあえず納得はした。事実が暴かれるのが遅くなってしまったのは、比叡が他人を怖がってしまい佐世保第十三鎮守府で行われていたことを話すことができなかったからだ。
とはいえあの男が更迭されても手遅れである。佐世保第十三鎮守府の艦娘達はすでに人間を敵と認識してしまっている。そのため、多くの提督があそこに着任することを拒否してしまっている。
それに何よりも、凰香自身あそこに着任することに抵抗があった。その理由は、あそこに着任したら自分がどうなってしまうのかがわからないからだ。
凰香にとって、あそこは仇である艦娘達がいる鎮守府だ。今は復讐しないと言っているが、もしあそこに着任してしまったらどうなってしまうのかがわからなかった。
すると凰香の考えていたことを見抜いたのか、海原少将が言った。
「……あそこに着任するのが怖いのか?」
「………そうかもしれない」
凰香は海原少将の言葉を素直に認めて言った。
「あそこは私達にとって最も忌まわしい場所。そこに行ったときに私自身がどうなってしまうのかがわからないから怖い………だと思う」
「………そうか」
凰香の言葉に海原少将が小さくつぶやく。凰香はそのまま座り込んで湯に浸かり始めた。
しばらくお互いに何も話さずに黙っていたが、やがて海原少将が口を開いて言った。
「………そういえば先輩がよく口にしていた言葉があったな」
「父さんが?」
「ああ。『艦娘は兵器でも部下でもない。艦娘は大切な家族だ。そして、家族を護るのが俺のやるべきことだ』と言っていたよ」
「!」
海原少将の言葉を聞いた凰香は眼を見開く。その言葉は凰香が榛名と夕立に言ったものと全く同じだったからだ。
(父さんも私と同じことを言ってたんだ………)
凰香がそう思っていると、海原少将が立ち上がって言った。
「君が提督になりたくないのなら、それはそれで構わない。でも、もし君の心の中にまだ艦娘を助けたいという想いがあるのなら、どうか彼女達を救ってあげてほしい」
海原少将はそう言い残すと、そのまま脱衣所へと向かっていった。
一人残った凰香は夜空を見上げた。
「………悩むなんてらしくないわね、凰香」
不意に誰かにそう言われる。凰香が声のした方を向くと、そこにはいつの間にか防空棲姫が湯船に浸かっていた。
「防空姉………」
「どうするの?あなたが艦娘達を
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