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IS―インフィニット・ストラトス 最強に魅せられた少女Re.
第三話 甘くないんです
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つけた。持たない者が努力だけでどこまで進めるのか。そして楓に接する内に、千冬は怖くなった。

楓には才能は無かった。しかし、同時に限界も無かった。小さくとも確かに、遅くとも決して止まること無く、楓は成長し続けた。

「4年で4000時間以上……年1000時間以上の搭乗時間は国家代表レベルの数字だ。現役のパイロットでもこれより短いのはゴロゴロいる。」

千冬も真耶も楓を既に一年以上見ていない。故に、彼女がどこまで成長しているのか、全く判断がつかないのだ。

「……ところで織斑先生。弟さんの方は良いんですか?」

「神宮司がコーチについたと聞いた。心配は要らんだろう……付いていけさえすれば、な。」










Sight In

クラス代表決定戦を翌日に控えた日曜日。漸く訓練機の使用許可が下り、私たちはアリーナに来ていました。

「さて、上手い事訓練機を借りられましたね。」

ISスーツに着替えた私の目の前には、日本製の量産IS、打鉄を纏った織斑さんがいる。

「時間が惜しいのでさっさと始めましょう。織斑さん、飛んで下さい。」

「へ?」

「飛ぶんです。分かりますよね?」

「お、おう。」

織斑さんが地面から1m程浮き上がる。思ってたよりはスムーズですね。

「ハイパーセンサーは動作してますか?」

「大丈夫だ。」

「それでは………」

端末から打鉄にデータを送る。

「視界に飛行ルートを表示させました。まずはこれに沿って飛んでみて下さい。慣れてきたらスピードを上げて、妨害も入れますから。」

データを視界に重ねて表示出来るのは訓練でも大きな強みです。教える側としても教わる側としても重宝しています。

しかし……織斑さん、どんどん上手くなりますね。私が何か言う前に問題を次々修正していってます。感覚だけでやっているとすれば凄まじい才能です。私には欠片も無かった物なので羨ましい限りです。

『なあ神宮司さん。』

織斑さんの声がインカムを通して聞こえてきます。

「通信とは余裕ですね織斑さん。もう少し難しくしましょうか?」

『いや……俺、こんなんでオルコットに勝てるのか?』

「無理ですよ。」

『そうか……それを聞いて安心し……え?』

「無理ですよ。1%だった勝率が精々3%まで上がるくらいです。」

『それじゃあ……!』

「駄目ですよ。そもそも素人で代表候補生に勝率3%、上出来です。」

多分織斑さんはもっと難しい訓練を頼もうとしたんでしょうが……代表候補生はそんなに甘いものではありません。付け焼き刃の小手先の小細工程度、真っ向から粉砕できるでしょう。

ならば、あえて手札を絞り、その一枚に賭ける。織
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