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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
袋叩きはドラム缶の中で
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えるロベリアに、ヴォルティス卿は静かに話を切り出した。
「これは《リスト》だ」
取り出された羊皮紙だったが、何も書いてないという訳ではなかった。
丁寧で几帳面な文体で、アルファベットの羅列が上から下まで記してある。それは決して、中学生が受験勉強のために英単語を書き込んでいた、という訳ではもちろんない。
それは、人名。
もっと言えば、システムに刻んであるアカウント名がびっしりと書き込んであった。
息を詰めるニット帽少女に、偉丈夫は言う。
「なぁ、最終確認だ。教えてくれ」
宣告するように。
戒告するように。
「この中に貴様のモノではないアカウント名は――――あるか?」
神託の言葉を、言う。
ギヂリッ!!と。
奥歯を噛みしめるには壮絶すぎる音が、夜の森に響き渡る。
バレていた。いや、そんな次元ではない。
甘かった。
眼前の偉丈夫が、ロベリアが考えられる反論など、余裕で踏み越える男だということを。彼らがこうして余裕シャクシャクで自分の目の前に現れた時点で、勝利の算段はついているのだ。
「まったく、よくもこれだけ作りだせたものだな。サラマンダーやスプリガンは当たり前として、ウンディーネの上院議員やノームの工夫組合幹部のアカウントまである。まさによりどりみどりだ。これだけの地位があれば、それぞれの種族を転がすことなど容易だったろう」
威厳のこもった巌のような声が静かに耳朶を打つ。
その声に対し、殺意すらこもった視線をロベリアは向けた。
小柄なニット帽少女が追い詰められているのは、決してアカウントが露見したこと――――
で
(
・
)
は
(
・
)
な
(
・
)
い
(
・
)
。
彼女が心配しているのは、その先。
アカウントの地位から連想される、当然の疑問のほうだ。
そして、その当然をヴォルティス卿は口にした。
「おかしいとは思わないか?これだけの地位、普通ならば一つのアカウントだけでも相当大変なはずだ。事実、プレイヤーの大半はサブアカウントなど育てない。そんな手間をかける暇があれば、本命のアカウントのスキルを鍛えるからだ。これまで卿のようなタイプのスパイが生まれなかったのは、それだけ中枢に潜り込むために労する努力と対価が、釣り合わないからだ」
それだけで少女の胴体より太そうな腕を振り、巨漢は言葉を紡ぐ。
「そして、プレイヤーの確信はそのままシステムにも通ずる。
論理
(
ロジック
)
的に、そして現実的に、この数のアカウントで各領の中核へ潜り込ませるほどのスキル値を稼がせるのは不可能、ということだ」
つまり、と彼は断じる。
核心を、告げる。
「運営にも首を振られるその所業、チートやバグ利用の類
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