暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
one for one
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重さゆえに木の根っこに突き刺さっていた戦斧を引き上げ、ロベリアが両腕を広げたくらいの広さの肩に乗せる。

そのままの流れで、偉丈夫の眼光は再びロベリアを貫いた。

「さて、色々積もる話もあるが、卿はその口調でいいか?我はどちらでも構わないがな。……あぁ、もう取り繕う取り繕わないとか、そんな次元の話ではないことはあらかじめ忠告しておこう」

否、それはもう忠告ではなかった。宣告であり、戒告であった。この場合、被告も間違いではないかもしれない。

身長二メートルを超える巨漢、ヴォルティスは軽く放った。

複雑に絡み合った根っこの地面に小さな音とともに転がったのは、そこらの雑貨屋でも売っている安価な録音アイテムだ。見た所そこまで録音できる時間と射程範囲は長くないが、それでも先刻まで垂れ流していた独り言を拾うには充分だったろう。

いよいよもって捌け口がなくなった少女は――――



次の瞬間、どろりと瞳の色を塗り替えた。



同時に、表情も変わる。

ブチブチと表情筋を引き千切るような、火で炙ったビニール人形のような、おおよそ少女が浮かべるべきではない種類の笑みを形作る。

「あーあーァ、いったいいつから【神聖爵連盟】サマは便利屋の万事屋サマになったんだァオイ。あのSAOの英雄、六王の第一席サマがどこぞの誰に尾っぽ振るってサービス残業たぁ泣かせる話だなァ?」

それは、絶対的な歯車が食い違っているような口調だった。叙述トリックに騙されたような、どうしようもない驚きがそこにはあった。

だが、ヴォルティス・ヴァルナ・イーゼンハイムはそれに動じない。

眉一本すら動かさずに彼は生真面目にこう返した。

「ギルドというのは意外に金がかかるものでな。加えて、我のギルドのほとんどは社会人だ。外国人もいる。したがって、ログインできる時間に限りがあるので、こういう手っ取り早い金儲けは助かったりもするのだよ」

「それにしちゃー過剰戦力すぎるんじゃねぇか?こぉんなちっぽけなオレ様になんて、アンタの部下一人いりゃあそれで話は終わりだったろうが」

「いくら小物でも、種族を左右させる程度には力を持った小物だ。ならば全力で丁寧にすり潰すのが、力持つ者の務め(ノブレス・オブリージュ)というものだろう?」

「ずいぶんと穿った見方だなぁオイ。さっすが英国貴族サマは紳士でいらっしゃる」

皮肉だったのだが、脳筋(バカ)には伝わらなかったらしい。ヴォルティス卿は少しだけ口角をあげて笑みを形作る。

「それに、長年アルヴヘイムの影で暗躍し、常に大事件の糸を引いていた、非在の存在――――プロパガンダと聞けば、少しは興味をそそられるだろう?」

「……………」

非在存在(プロパガンダ)

それは、A
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