第二十話:残滓
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で空中に舞い上げられた後、ラシャは国道沿いの山林に落下し、木々の一本に運良く引っかかっていたのだ。
「何て無様な……」
プレデターのトロフィー染みた己の境遇に只々嘆息する。と、同時に自らへの襲撃者を思い出し、ラシャは慌てて体勢を正し、木の上へと登った。
同時に装備を確認する。カービン銃は機関部にヒビが入っていて使いものにならない有様だった。剣を突き刺された左足のホルスターに収納していた竹包丁は全て台無しになっていた。拳銃は奪われた。手持ちの武器は役に立たないカービン銃と支給品のサバイバルナイフ、両腕の袖に仕込んだ隠し刃だけだ。
勝てる要素は少ない。だが、それでも戦って生き延びなければならない。これまでしてきたように相手を仕留める。それしか知らない、昔はもっと穏やかな選択肢を選択できたような気がするが、今となってはそんな選択肢なんて考えたくもない。
ラシャはサバイバルナイフが武人の蛮用に耐えうる仕上がりをしているかを確かめると、水筒の水を飲み干した。激痛と共に、腹から血が流れる。何とか痛みを噛み殺したラシャは、水筒を投げ捨てて身構えた。
「さあ来い、今度の俺は一味違うぞ」
不敵に笑うラシャの身体からはえも言われぬ活力が湧いて出ていた。
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