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SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
神話剣
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 それを見たアスナの両目が見開かれ、口がぱくぱくと開閉される。

「え……S級食材……!?き、キリト君、どこでこんなもの……」
「なぁアスナ、今料理スキル熟練度どの辺?」

 するとアスナは、自慢げに胸を張ると、

「聞いて驚きなさい。先週遂に完全習得(コンプリート)したわ」

 と堂々宣言した。

「なぬ!?」

 SAOでは生き抜くことが最優先だ。つまり、武器スキルの熟練度の方が優先してあげられる。それに加えて、熟練度の最高値である1000までたどり着くには相当の時間が必要なのだ。それを、戦闘も関係ないスキルにここまでつぎこんでいるとは……。

 キリトは内心「あ、アホか……」と思いつつ、アスナに向かって低く問うた。

「その腕を見込んで頼みがある。一口食わせてやるから、こいつを料理してくれ」
 
 するとアスナはキリトの胸ぐらをつかむと、グイと引き寄せて言った。

「は・ん・ぶ・ん!!」
「お、おう……」

 勢いに押されたキリトはそのままうなずいてしまう。

 よし!とガッツポーズをしたアスナは、そこでふと表情をゆがめた。

「けどどうするの?キリト君の家じゃそんな大した器具もそろってないんでしょ?」
「……そのとおりでございます……」

 料理スキルを全くあげていないキリトの家には、そもそも料理器具というものが備え付けらていない。さらにキリトの家はひどい散らかり様で、とてもでないが人を招ける状態にはない。

 するとアスナは

「仕方ないわね。今回だけ食材に免じて、私の部屋を提供してあげないこともないけど」

 その瞬間。

「あ、アスナ様!!このようなスラムに足をお運びになるだけでなく、こんな素性の知れない男をご自宅にお連れするですと!?断じて見逃せませぬ!!」

 アスナの護衛と思しき長髪の男が前に進み出た。

「あら、この人素性は置いといても実力はたしかよ。確かあなたよりレベルは10以上上だわ、クラディール」

 すると、クラディールと呼ばれた男はわなわなと口を震わせると、次の言葉を紡ごうとした。

 
 その瞬間。


「あれ〜?キリトにアスナじゃん。うわ、野次馬多いな……ほらほらどいたどいた」

 あまりにも場違いな、明るい声が店内に響いた。

「?」
「ぐっ……」

 クラディールは出鼻をくじかれて歯噛みする。

 いつの間にか集まってきていた野次馬どもをかき分けて、声の主が姿を現す。

 男だ。年のほどはキリトより二歳ほど上か。しかし幼げな雰囲気と顔立ちで同年代も見える。どちらにせよ年齢を感じさせないその顔には、笑顔。
 茶色のぼさぼさの髪の毛をもった頭に、緑色のバンダナを巻いている。服装は萌木色、という
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