SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
神話剣
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それを見たアスナの両目が見開かれ、口がぱくぱくと開閉される。
「え……S級食材……!?き、キリト君、どこでこんなもの……」
「なぁアスナ、今料理スキル熟練度どの辺?」
するとアスナは、自慢げに胸を張ると、
「聞いて驚きなさい。先週遂に完全習得したわ」
と堂々宣言した。
「なぬ!?」
SAOでは生き抜くことが最優先だ。つまり、武器スキルの熟練度の方が優先してあげられる。それに加えて、熟練度の最高値である1000までたどり着くには相当の時間が必要なのだ。それを、戦闘も関係ないスキルにここまでつぎこんでいるとは……。
キリトは内心「あ、アホか……」と思いつつ、アスナに向かって低く問うた。
「その腕を見込んで頼みがある。一口食わせてやるから、こいつを料理してくれ」
するとアスナはキリトの胸ぐらをつかむと、グイと引き寄せて言った。
「は・ん・ぶ・ん!!」
「お、おう……」
勢いに押されたキリトはそのままうなずいてしまう。
よし!とガッツポーズをしたアスナは、そこでふと表情をゆがめた。
「けどどうするの?キリト君の家じゃそんな大した器具もそろってないんでしょ?」
「……そのとおりでございます……」
料理スキルを全くあげていないキリトの家には、そもそも料理器具というものが備え付けらていない。さらにキリトの家はひどい散らかり様で、とてもでないが人を招ける状態にはない。
するとアスナは
「仕方ないわね。今回だけ食材に免じて、私の部屋を提供してあげないこともないけど」
その瞬間。
「あ、アスナ様!!このようなスラムに足をお運びになるだけでなく、こんな素性の知れない男をご自宅にお連れするですと!?断じて見逃せませぬ!!」
アスナの護衛と思しき長髪の男が前に進み出た。
「あら、この人素性は置いといても実力はたしかよ。確かあなたよりレベルは10以上上だわ、クラディール」
すると、クラディールと呼ばれた男はわなわなと口を震わせると、次の言葉を紡ごうとした。
その瞬間。
「あれ〜?キリトにアスナじゃん。うわ、野次馬多いな……ほらほらどいたどいた」
あまりにも場違いな、明るい声が店内に響いた。
「?」
「ぐっ……」
クラディールは出鼻をくじかれて歯噛みする。
いつの間にか集まってきていた野次馬どもをかき分けて、声の主が姿を現す。
男だ。年のほどはキリトより二歳ほど上か。しかし幼げな雰囲気と顔立ちで同年代も見える。どちらにせよ年齢を感じさせないその顔には、笑顔。
茶色のぼさぼさの髪の毛をもった頭に、緑色のバンダナを巻いている。服装は萌木色、という
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ