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レーヴァティン
第二話 異世界その十二
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「誰がそんなことされたいんだよ」
「それならだ」
「殺されたくないからか」
「殺すことだ」
 それだけだというのだ。
「わかったな」
「シビアだな」
「死にたくないならそうするだけだ」
「それがこの世界の現実ってやつか」
「それにこうしたことはこうした世界ではよくあるのではなかったのか」
「まあそれはな」 
 そう言われるとだ、久志もだった。
 頷いてだ、それで英雄に答えた。
「わかった、じゃあな」
「ではだ」
「やるしかないか」
「倒すだけだ」
 生きる、その為にはというのだ。
「わかったな」
「それしかないか、それに考えてみれば」
 久志はならず者達を見つつ気付いた、その気付いたことはというと。
「こんな連中放っておいたらな」
「まずいな」
「ああ、俺達以外にも人を狙ってな」
「そしてだな」
「犠牲者が出るな」
「そうなる」
「じゃあ答えは一つしかないな」
 やれやれといった顔でだ、八条はまた言った。
「やるしかないな」
「そういうことだ」
「わかったさ、じゃあこういうのは好きじゃないがな」
「俺もやるとしたらはじめてだ」
「殺しはか」
「言ったな、弱い奴をいたぶる趣味はない」
 暴力、英雄の見方でそれはというのだ。
「小さな生きものや虫もだ。蚊や蠅は殺したことがあるがな」
「蚊とかは放っておいたら刺してくるからな」
 血を吸い後が痒くなりしかも伝染病の危険もある、蚊の病気ではマラリアが有名だが日本脳炎もまだある。
「仕方ないな」
「そして肉は好きだが」
「必要じゃないとか」
「生きものもだ」
 人間以外の生物達もというのだ。
「したことはない」
「御前意外といい奴だな」
「暴力が嫌いなだけだ」
 これが英雄の返事だった。
「それだけだ、だが話はこれ位にしてだ」
「ああ、やるか」
「降りかかる火の粉は払うことだ」
「それしかないな」
「おい、何話してるんだよ」
 ならず者達が言ってきた。
「どうしても殺されたくないんなら刀やら剣置いてけ」
「あと服もな」
「そうして命乞いをすれば助けてやる」
「それはないだろ、御前等の顔にはっきり書いてるぜ」
 久志はならずもの帯tの顔を見た、そうして彼等に告げたのだった。
「命乞いをしたところでってな」
「こうした連中の常だ、ではだ」
「ああ、やるしかないな」
「やるならだ」
「容赦は無用ってか」
「そういうことだ、いいな」
「ああ、こっちの世界ではじめての戦闘になるか最後の戦闘になるか」
 久志は腰にかけてある剣に手をかけた、そうしてだった。
 その剣を抜いた、英雄も刀を抜いた。二人は自分達がこの世界で生きる為にならず者達を殺すことにした。


第二話   完


    
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