ターン69 封印の神と『D』
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の中に呑まれて見えなくなる。
「うわああああっ!」
召喚神エクゾディア 攻5000→エド(直接攻撃)
エド LP4000→0
「ふう。さてと、本来なら君たちも始末する方がいいんだろうが、残った君たちの中で最も強いのは、十代か。それともヘルカイザー、君の方かな?でもどちらにせよ十代は覇王の力の抜け殻に過ぎず、ヘルカイザーもエドに負ける程度の腕だったか。なら、どちらにもいまさら用はない。なら今日はせっかく僕が王となった記念となる日だ、特別に見逃してあげよう。元の世界に戻るというのなら、温かく見送ってやろうじゃないか。さあ召喚神よ、こんなところに長居する必要はない。やることは山積みなんだからな」
あのエドが。僕のことを軽く手玉に取ったこともあるほどの実力者のエドが、魔神の暴力的な力を前にわずか1ターンで敗北するのを、僕らはただ見ていることしかできなかった。もっともプライドの高いエドのことだ、仮に僕が参戦できる状態であったとしても乱入での加勢なんて絶対に許さなかっただろうが。
あとわずか1ターンで勝利がもたらされるというところまで、アモンのことを追い詰めていた。もはや九分九厘、エドの勝利は確定していたはずだった。
だが、それでも、最後に立っていたのはアモンだった。自己犠牲なんかじゃない、できるだけの手段を尽くしただけだ、だから前に走って朋友を救え―――――消滅する寸前、エドが残した最期の言葉に従い洞窟から逃げ出す途中でふと振り返ると、少し気になるものが見えた。エドとデュエルしている最中、アモンの左腕はずっと異形のそれだったはずだ。だが逃げ出す僕らを冷たく見るアモンの左腕は、いつの間にか普通の人間の物になっていた。
「何してるノーネ、早く逃げるーノ!」
「は、はい!」
アモンの高笑いをバックに、十代をおぶったまま凄い勢いで走るクロノス先生の言葉に背中を押されるようにしてとにかく走る。幸いにも一本道だった洞窟を抜けて外に出ると、朝焼けの空が頭上に広がっていた。
「朝、か……」
エドのデュエルを見ているうちに、いつの間にか夜が明けていたらしい。空を見て感傷に浸る間もなく、背後で洞窟が崩れる音がする。洞窟の壁を突き崩し、巨大魔神がゆっくりと立ち上がった。その肩を玉座代わりとして座るアモンが、もう足元の僕らには目もくれずエクゾディアに指示を出す。魔神がゆっくりと歩きだすのを見てようやく我に返り、ばっと振り向くとヘルカイザーと目が合った。クロノス先生たちは恐らく十代をまた寝かしに行ったのだろう、この場からは離れている。
「僕は、アモンを止めてくる。この世界には、これ以上覇王の系譜はいらない」
言葉の端々にまで覚悟を込め、ヘルカイザーの目を見たまま宣言する。脳裏をよぎるのは、覇王の
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