ターン69 封印の神と『D』
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いている。相手ライフがたとえ1だろうと1万だろうとパーツさえ揃えれば勝ちなのだから、相手ライフを削るようなカードを入れる必要がないというのもその1つだ。なのでエドの言葉は確かに真理、何ひとつ間違ったことは言っていない。だが、そう自らに言い聞かせるよう叫ぶたびに、アモンの顔に無知な相手を馬鹿にするような愉悦の色が広がっていく。そしてそれが、ますますこちらの不安感をあおっていく。
「これ以上何もするな、早くターンエンドしろ!」
エドも同じことを感じているらしく、口調こそ強気だが半ば懇願するように叫ぶ。このターン、このターンさえ凌げれば、ダイヤモンドガイとデス・メテオのコンボが成立する。なんとか、エドのライフが残った状態でアモンのターンを終えさせることができれば。
「僕は」
やめろ、これ以上何もしなくていい。今すぐそのカードから手を放すんだ。
「封印されし者の左腕を」
やめてくれ、なぜそんなに笑っているのさ。このままじゃエドが、エドが。
「リリースし、このモンスターを特殊召喚する」
だけど、僕らの願いは叶わない。アモンが手札から1枚のカードをデュエルディスクに置くと、ほんの1瞬の静寂が洞窟を包んだ。そして、何の前触れもなく封印の扉が、その内側から強い力を加えられ弾け飛ぶ。
そこからゆっくりと、ついにその姿を見せた魔神の名を僕らは知っている。いや、仮にもデュエルモンスターズに触れたことのある人間ならば、誰もがその名を呼ぶことができるだろう。
「エクゾディア……」
「確かに似ている。だが正確には、少し違うな。これこそが僕にもたらされた王の力……出でよ、召喚神エクゾディア!」
エコーの犠牲により、ついに完全に封印から解き放たれてしまった魔神、召喚神エクゾディア。その腕が、足が、そして頭が、黄金の炎に包まれ秘められた力を解放する。
「召喚神エクゾディアの攻撃力は、僕の墓地に存在するエクゾディアパーツ1枚につき1000ポイントとなる。そして、僕の墓地には今、5枚すべてのパーツが揃っている」
召喚神エクゾディア 攻5000
「バトルだ。先ほどの魔神火炎砲とはわけが違う、エクゾディアの本気を見せてやろう。やれ、魔神火焔砲!」
魔神が両腕を合わせ、再び火炎を放つ。その輝き、勢い、そして火力の全てが桁違いに膨れ上がった一撃を前に、エドが最後のカードを発動させる。
「トラップ発動、聖なるバリア……」
「ミラーフォースか。だが無駄だ、召喚神エクゾディアは、あらゆるカード効果を受け付けない!」
その言葉通り、ミラーフォースの発動によりエドの前に展開された半透明の壁は、魔神の炎とぶつかった瞬間に粉々に砕け散った。全ての手を使い尽くしたエドの姿が、炎
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