ターン69 封印の神と『D』
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の効果の範囲外からの攻撃だと……!」
エースモンスターの喪失に、歯噛みするエド。だが、Bloo−Dの敗北はそれ以外にも思わぬところに影響を及ぼしていた。それまでは血の雨に阻まれて前に進めずその場に立ち尽くしていたエコーが、またふらふらと封印の扉へ近づき始めたのだ。どれほど力を込めても動けない僕ら、そして目の前のデュエルに精一杯で声を張り上げることしかできないエドには一瞥もくれず、エコーがついに扉の前に立つ。
そこからは、突然だった。自らを解放する贄の接近に反応した神が、力づくで封印の向こう側から手を伸ばす。逃げようともせず突っ立っていたエコーの体を無造作に握りしめた巨大な腕が、彼女を掴んだままゆっくりと持ち上がる。
「エコー!エコー!」
エドの必死の呼びかけにも、もはやエコーは何も応えない……かと思われたけれど、それは違ったようだ。眠るようにぐったりとしていたエコーの目がかすかに開き、か細く途切れそうな声が聞こえてくる。
「エド……貴方を巻き込んでしまい、ごめんなさい。でも私は、愛する人に思いのまま生きて欲しかった……」
「もういい、喋るなエコー!その思いのために君が犠牲になるなんて僕には理解できない!あんなものはその場しのぎに過ぎない、次のターンでは必ず僕が勝つ!だから今ならまだ間に合うはずだ、こちらに戻ってきてくれ!」
「理解できないなら、それでいいの……ただ私と、アモンがわかってさえいれば……私はアモンを愛しているし、アモンも私を愛する人と呼んでくれた、ただそれだけで……だから……」
「エコーッ!」
エクゾディアによく似たその腕の中で、エコーの体が光に包まれ始める。この世界に来てから何回も見てきた光景、敗者が消滅する瞬間と同じものだ。ああなってしまった以上、止める方法を僕は知らない。そんなものを知っていたら、ケルトやオブライエンだって……いや、今はあの2人のことはいい。消えていくエコーの姿を直視していられなかったのか、エドがうつむいて目を逸らすのがわずかに見えた。
そしてそれとは対照的に、アモンの顔が暗い歓喜に歪む。その表情をエコーは最後まで見ることがなかったのが、彼女にとってはせめてもの救いだろう。とでも思わないとやってられない。多分本人は気づいていないだろうが、それほどまでにアモンの笑みは壊れていた。
「ありがとう、エコー。僕の最愛の人。これでたった今から、僕は王となった」
「ふざけるな……」
「うん?」
その場に膝から崩れ落ちかけたエドが再び立ち上がり、憎しみを込めてアモンを睨みつける。多分今のエドの心の中は、かなり不安定な状態になっているはずだ。何度も同じようなことになってきた僕には、その気持ちがよくわかる。そしてこんな時、何を言っても無駄だということも。
だけど怒りのパワ
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