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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
食事と回想
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れた声は一字一句忘れていない。

そんなこんなで和葉――キリトは〈始まりの街〉を飛び出して、今日まで生きてきた。


記憶を遡りながら、少しずつ話すキリト。

「わたしは・・・女の子だからこそ弱いまま、〈始まりの街〉に留まることを恐れたから・・・かな?」
「そうか・・・・・・」

キリトの曖昧な返答にも気を悪くした素振りを見せず、必要以上に深く入り込んでくることもないアスカ。

男性プレイヤーが怖いから、性別を偽ってソロプレイヤーをしてきたのに、よくよく考えたらこの状況も不思議だなとキリトは思う。
なぜなら今隣で自分がしゃべっているアスカも正真正銘の男なのだから。

不思議なことだが,キリトはアスカに対して恐怖や怯えを感じたことはなかった。
クラインですら2人きりでいることには抵抗を覚えてしまったと言うのに。
年齢が近い、というのも1つの要因だと思う。
基本的には最前線で攻略に参加しているプレイヤーはキリトだけでなくアスカよりも年上の人たちだけだ。年の近い(あくまでキリトの判断だが)人の方が話しやすい。
それにアスカの態度は淡泊で、素っ気ない。女子として、異性として扱われることが苦手なキリトにとってはそれが嬉しかったのだ。
だが、キリトがクラスの男子と会話もできなかったことを考慮すると、要因はそれだけではないはずだ。
なんでだろうなーと考えているとアスカに話しかけられる。

「まあ、お互いの質問はこれくらいにしておいて、本題に入ろうぜ」

そうだったと思い出す。
そもそもこの食事会(?)は明日のボス戦についてアスカに色々と説明をするためのものだ。
キリトはチラッと現時刻を確認する。すでに7時を回っていてギョッとする。
まさか1時間近く話していたとは・・・・

「そ、そうだね。じゃあまずはボスのアタッカー隊に2人じゃ参加できない理由だけど―――」

一旦、気になっていることを頭の片隅に追いやり、キリトは説明を始めた。

――どうせ、明日のボス戦までの付き合いだし、気にすることでもないのに・・・・

結局、キリトは説明にあまり身が入らなかったので、その後1時間ほどアスカとキリトは座りっぱなしだった。




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