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殺人鬼inIS学園
第十七話:殺人鬼の休日
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着だ。両方共ビキニタイプで、ラシャの主観で言えば色くらいしか大した違いが見受けられなかった。女性というものはやはりわからないことが多い。遠い昔の銀河の騎士ではないが、まだまだ学ぶべきことは多いようだとラシャは唸った。

「まずは織斑先生からだが……一夏、お前の意見を聞きたい」

「お、俺ですかぁ!?」

 まさかのキラーパスに狼狽する一夏。同時に千冬の表情が不機嫌の方向へと一気に傾く。

「お、俺もよくわかんないからラシャ兄に任す!!」

「ふむ、ならばその黒いやつはどうだ?白いやつは少々眩しすぎる」

 ラシャは千冬の持っていた水着の黒いものを指差した。すると、千冬の表情は裏返したかのように好転する。

「そ、そうか!?一応理由を訊いても良いか!?」

「あー……そうだな。千冬ちゃんはどうも黒色のイメージが有るからかな?何時も着ているスーツも黒一色が多いし」

 ラシャとしてはかなり苦しい理由付けであったが、千冬本人としては満足の行く回答であったみたいだ。先程の不機嫌な表情が嘘のように舞い上がっているような表情をしている。

「よし、決めたぞ。私はこれにさせてもらう」

 浮ついた様子でレジに向かう千冬を見送った後、ラシャは山田先生の方へ向き直った。

「山田先生の水着は、今手にとっていらっしゃる物でいいと思いますよ。個人的な主観ですが、そのきれいな髪にマッチしていると思いますし」

「ふえええええぇぇぇっ!?」

「お、おおおお客様ぁぁぁ!?」

 何とか程々の褒め言葉を絞り出して伝えた結果、山田先生の顔は瞬間湯沸かし器が如く発熱し、羞恥心のあまりに水着売り場から脱兎のごとく駆け出して行ってしまった。慌てて店員が後を追いかけるも、あの速度の差では追いつくのは難しいのではないだろうか。
 いつの間にか一夏も先程合流した少女たちと共に水着選びに勤しんでいるようなので、ラシャは近くのベンチに腰を下ろしてその様子を見守ることにした。日曜日の昼近くなだけあって人の喧騒凄まじく、このまま惰眠を貪ってしまおうかと考えていたラシャは、急に持て余し気味になってしまったこの状況に独り苦笑した。

「そこのあなた!」

 不意に声をかけられた。その声色に隠す気のない驕慢と嘲罵の響きを感じ取ったラシャは、狸寝入りを即座に決め込み、遠回しに関わる気は毛頭ないということをアピールした。
 ISの台頭による影響で女尊男卑が浸透してしまったこのご時世、女性が男性に対して意味もなくふんぞり返っている多々見られる。その中でも、IS発祥国たる日本では女性の驕慢による男性への冤罪や理不尽な恐喝までもがまかり通る程だ。
 
「貴方のことを言っているのよこのグズ!!」

 ラシャの足の甲に鋭い痛みが走る。薄目を開けると
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