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機動戦士ガンダム・インフィニットG
第十一話「狙われた一夏」
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ようとしたのだが……
「……?」
壁際に、何やら不思議な現象が起こった。壁から光の裂け目が現れたのだ。当然一夏は目を丸くして茫然とした……が。
「うわっ!?」
その裂け目から飛び出した謎の片腕が彼の胸倉をつかみ、そしてその裂け目からのぞく光のかなたへと引きずり込まれてしまったのだ……

「う、うぅ……」
暗い、目に何かされている。目隠しだ。
「あれ……?」
両手首が前手に手錠をかけられている。両腕を左右に広げようにもチェーンがビンと張って金属のあたる音しか聞こえず、それ以上は広げられない。
「なんだ……マジで何なんだ!?」
何がどうなっているのか、さてはあの時のように……
数年前の誘拐時のように!? と、彼は当時のトラウマを思い出した。そして、あの時見た夢のデジャブ―が蘇る。
姉が強引に嫌がる彼をISの世界大会モンド・グロッソへ招待させた時のことだ。千冬の優勝を妨害すべく彼は誘拐され、暗闇の中で拘束され監禁された。時期に姉が試合を放棄してまで助けに来てくれたが、あの時の怖さと無念と悔しさは忘れられなかった。
「やっほー! イッ君♪」
目隠しの向こうから、オチャラケた女の声が一夏の名を呼ぶ。
「イッ君〜! ようやく捕まえたよ〜!!」
「こ、ここは……どこなんだ!? 束さん!!」
目隠しをされ、両手首に手錠をかけられた一夏は、恐怖に見舞われ立ち尽くしている。
だが、次の瞬間に目を覆う布と前手の手錠は足元に転がり、彼の拘束は解けた。目の前は真っ白な空間が後代に広がっている。
そして、目の前には、一夏自身が最も嫌っているあの物体「IS」が見つめていた。待機状態であるISは甲冑のように手足、胴のアーマーが積みあげられている。白銀のISだ。
「イッ君、これこれ! このISに触ってみて?」
「……!」
その声は、自分が最も毛嫌いしている人物の一人で、嫌いな姉の親友……
「た、束さん!? どうして!?」
「だってぇ〜! イッ君が束さんの作った、この『白式』に乗ってくれないんだもーん!」
と、束はウルウルしながら自分の背にあるその白式という待機状態のISを指した。
「何度言おうと、俺はISには乗りませんし、そもそも『男』である俺がISに乗れるわけないじゃないですか」
「ところがどっこ〜い!!」
束は、そういって軽々と待機状態の白式を抱えて一夏の近くへ置くと、「えい♪」と一夏の背をドンと押したのだ。
「うわっ……」
咄嗟に、白式の冷たい装甲に手をかけてしまった。その途端、一夏はまばゆい光に包まれた。その気は、ユニコーンを纏ったときの感じとは違い、強い自尊心と可憐さが彼の脳内をよぎった。男である彼にとっては不愉快だった。
そして、光が収まった先に映し出される己の姿に、一夏は衝撃と共に絶叫を挙げた。
「う……嘘、だ
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