第十一話「狙われた一夏」
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りませんマスター……」
『ハァ……そのマスターだけはやめろ?』
「なんだ……?」
なにやら、仲間との通信を終えたようだとマリーダの背後から一夏がつぶやいた。
「マリーダさん……誰と話してるんですか?」
「ああ、マスターとだ。私の隊長だよ」
「へぇ……」
つまり、自分たちとの行動がそのマスターとやらに監視されているというのか? なら、こちらとて精神的にきついような気がする……
「じゃあ……おやすみなさい」
「ああ……私の分のスペースも空いているか?」
「へっ!?」
「私は、お前の護衛をするために同じ寝床へ入るのだが……」
「ダメです! それ、めっちゃダメな展開ですから!?」
「何故だ?」
「何故もヘチマもないです! 頼みますから、隣のベッドで寝てください?」
「……わかった」
理解してくれたのか、マリーダは大人しくベッドに入ると静かに寝息を立てた。
――やっと、寝てくれたか? つーか、いくらなんでも男女七歳にしてこれはないわ……
いくらなんでもあって間もない人と添い寝なんて今の自分には度胸がなかった。それが、あくまでも護衛だと言われてもだ……
そして、一夏も時期に眠りについた。
「……?」
一夏が眠りについたところで、先に寝付いたはずのマリーダが突然目を開いた。
「甘いな……?」
そう、彼女は先に寝たのではなく、先に寝るフリをしたのだった。そして、彼女は気づかれることなくそっと一夏の元へ歩み寄る……
「……!」
「……」
不機嫌な一夏の後ろをマリーダが気まずそうに歩く。
「すまない……しかし、これも護衛でだな?」
「いくらなんでもやりすぎですよ!」
「す、すまん……」
――童貞には刺激が強すぎたか……?
そう思いつつも、マリーダはどうにか許して護衛を再開できる機会をうかがう。なにせ、一夏を胸元へ抱き寄せるような態勢で一緒に寝ていたから無理もない。
「……トイレ行きますんで、頼みますから用をたしてるときは覗かないでくださいね?」
「わ、わかった。いくら私でもそれは……」
「……」
やや、信用できないも一夏は近くのトイレへと向かった。
「まったく……そもそも、本当にユニコーンってそんなに凄いレアなのか?」
ガンダムタイプとはいえ、ガンダムとは思えぬ真っ白で地味な機体だ。一角獣を思わせる額から突き出たアンテナが特徴としか言えない。武器はガンダムシリーズ同様の威力の高い装備だが、本当にそれが「ガンダム」と言えるかと言えば抵抗のある形で会った。
「まぁ、マット先生らがガンダムって言い張ってんだし? ガンダムにしとくか? 確か、シロー先生のEZ―8だってV字アンテナないし、それみたいなもんかな?」
例題を並べれば簡単だった。そうだ、そうにちがいないと。彼は適当に疑問を言いくるめてトイレから出
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