第十一話「狙われた一夏」
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ドイツの国旗を模様した覆面に素顔を覆う謎の男が仁王立ちしていた。
「遅いぞ……シュバルツ」
かすかにも、マリーダは笑んだ。
「だ、だれぇ〜!!」
突然の招かれざる存在に束はさらに驚いた。覆面の男は、そこからロープも使わずその身で飛び降り、何事もなく着地した。
「私は、ドイツ代表のガンダムファイター。シュバルツ・ブルーダーと申す。これより、義によって織斑一夏とマリーダ・クルスの両名を救出に参った!」
「はぁ〜! ドイツのファイター!? んなの聞いてないし!?」
さらに、束は残存のゴーレムたちを召喚させて襲わせるが、ユニコーン以上の素早い身のこなし、それもMSを纏わない生身の人間が真剣を引き抜いて次々と肉眼では捉えられぬ速さでゴーレムを残りを切り裂いていくではないか!
「す、スゲェ……!」
ただただ、その戦いぶりに見とれることしかできない一夏にマリーダが言う。
「あれが……ドイツのガンダムファイター、シュバルツ・ブルーダーだ。彼が来ればもう安心だ。早く私たちもここを出るぞ?」
「はい、でも……シュバルツさんは?」
「彼なら心配いらん」
「一夏、マリーダ! ここは私に任せろ!?」
そういい、シュバルツは煙玉を床に投げつけて周囲をかく乱させた。そのすきに、一夏はユニコーンのブースターを吹かしてマリーダと共に天井の穴へと脱出した。
「うぅ〜! どうしてドイツのゲルマン忍者が来るの〜!?」
「篠ノ之束! 貴様の野望は、いつか必ず打ち砕いて見せる!!」
ふたたび、シュバルツは煙玉を投げつけて姿を消した。
*
「シュバルツって人……大丈夫かな?」
空中から地上の学園敷地内へ着地した一夏は、ユニコーンモードに戻った機体を解除して、マリーダを地におろした。
「すまないな? 一夏、お前を護衛するはずが、逆に助けられた……」
「良いんですよ? 裏路地での借りは返したってことで?」
「ああ……」
そのとき、突然起こったつむじ風に二人は片手で視界をふさぐも、次にその視界に映ったの人物は、シュバルツであった。
「あ、無事だったんですね!」
「心配はいらん。それよりも、二人無事で何よりだ……」
「シュバルツ、来るのが遅すぎるぞ?」
マリーダがため息をつく。おかげで自分は死ぬような思いをしたというのに……
「すまんな? 何分、『ファントム・タスク』の本拠地を探るのに時間がかかってな」
「なに……?」
その言葉に、マリーダは目を見開く。
「詳細なことはまだ伝えられぬが、必ずも『星・G作戦』は実現させて見せる……」
――何の話をしてんだ?
二人の会話を聞、夏はうまく聞き取れなかった。
「では、マリーダは引き続き一夏の護衛を続けよとの指示だ。私はこれで失礼する」
シュバルツはそう二人に背を向けると、一夏が呼び止めた。
「シュ
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