第十一話「狙われた一夏」
[13/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
束はびくともしない。
こうして、なす術もないまま一夏がやられるのを指をくわえてみるよりほかないのか……
「イッくーん? ギブったらいつでも言ってね♪」
「ま、まだだ……勝負はこれからです!」
しかし、こうもゴーレムの連携攻撃を食らえばさすがにユニコーンの耐久率も危うくなる。
――ちくしょう……! 俺には無理なのか……?
背後からゴーレムに殴り飛ばされ、白い床に叩きつけられた。ゆっくりと立ち上がろうともその隙さえも与えずにゴーレムの猛攻が増していく。
――誰一人も守れずに、ここで終わっちまうのかよ……
再び、あの時の暗闇の光景が彼の頭をよぎった。暗い空間に監禁された自分を……
「……まだだ」
しかし、その回想が彼を振るい立たせる。もう、あの時の無力は味わいたくない!
「俺は……! 俺は、もう……」
傷だらけになりながらも一夏こと、ユニコーンは立ち上がり叫ぶ。
「……負けたくないんだッ!!」
よろめきながらも、ユニコーンは立ち続ける。
「イッ君? もーギブっちゃいなよ? さもないと、イッ君のほうがもたないよ〜? ねぇ、ギブっていく? ギブって!」
そんな一夏の態度は、彼女から見て単なる踏ん張りしか見えないと束当人は余裕の笑みであった。
「ノーコメントです」
「あっそー?」
そして、四方より蹲るユニコーンへゴーレムが一斉に襲い掛かった……が、否。
「……!?」
ユニコーンと融合する一夏に、突如異変が起こった。ユニコーンの周囲より強大なエネルギー派が発生し、襲い来るゴーレムらはそれを浴びると一斉にショートしだし、次々が床へと倒れた。
「な、なにっ?」
束は、突然起こったその光景に目をやや大きくさせた。
「ついに、目覚めたのか……デストロイドモードに」
マリーダはその光景をしかと目に焼き付けた。
一夏の、ユニコーンは宙へと浮上し、その純白に覆われた機体の至る箇所の装甲が次々とスライドしだし、そこから紅い部位が露出し、そして一角獣を思わす額の角のアンテナは縦に割れてガンダム特有のV字アンテナ、そして真っ白の顔の装甲も形を変え、ガンダム本来の素顔があらわとなった。
「え? うそ!? うそ!? ひょっとして、二次移行なの!?」
MSに何ら興味なく、むしろ敵視している彼女にとっては予想外の展開で会った。
ユニコーンガンダム・デストロイドモード。ユニコーンガンダムの本当の姿であるこれは、機体のリミッターを解除し、本来の性能を全力で引き出した「野生」の姿である。
「やっば〜……」
束は、また新たなゴーレムの部隊を召喚した。
「第二ラウンドだ! いや、第三ラウンドか?」
一夏は、もう片方のビームサーベルを引き出し、両手に二刀のサーベルを構えた。
ゴーレムの第三派も続けて襲い掛かる。しかし、それを優
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ