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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十四話 この、こう着状態を打破します!
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は感情の波に転覆して進退の時期を逸することはしなかった。速やかに艦隊をまとめると、一点突破を図ってイゼルローン要塞からの離脱を図ったのだった。
フィオーナは追撃をしたが、あえて猛追撃は避けた。自軍の再編成に取り掛からなくてはならなかったからである。
イゼルローン要塞から離脱するヤン艦隊に次なる試練が襲い掛かってきた。手ぐすね引いて待っていたティアナ艦隊である。当初立ちふさがった戦力はそれほどではなかったため、ヤンは敢えてそこを突破しようとした。奇計である――すなわち敵の狙いは回避したヤン艦隊を別地点で挟撃すること――と推察したのである。が、それが間違いであることをすぐに悟った。
「全艦隊、車掛よ!あえて包囲せず、各部隊指定されたポイントから攻撃をかけ続けるの。あの小癪な艦隊を敵要塞に返さないで!!」
これはティアナの得意とする戦法の一つであり、全方位、前、後ろ、横、上、下、あらゆる方向から執拗に攻撃をかけ続けるのである。対処しようと反応してもすぐに新手が来る。その新手に対処しようとしてもすぐ別の新手が――。
如何にフィッシャーの迅速な艦隊運用があったとしても相手が早すぎるのである。ヤンにできることはできうる限り陣形を防御に固め、被害を出さないように最大速力で要塞に走り続けることだけだった。
ヤン艦隊は帰路、接触してきたティアナの執拗な追撃を振り切り、ロイエンタール、ミッターマイヤーの両艦隊と戦っていた第十六、第十三艦隊の支援を得て、アーレ・ハイネセンに帰投することができたのだった。だが、この帰投コースは定められていた。ロイエンタール、ミッターマイヤー、そしてティアナの追い落としにより、自由惑星同盟側の艦隊は要塞の主砲射線上からの帰投を余儀なくされたのである。
「何をしているのだ!?これでは主砲が撃てないではないか!!」
クレベール中将が地団太踏んで悔しがった。彼の眼にはその隙をついて再び接近するイゼルローン要塞の姿があった。
「味方が射線上にいます!これでは撃てません!!」
オペレーターが無念の叫びをあげたが、中将自身も同じような思いでいっぱいだった。
帝国側も艦艇を要塞に引き上げさせ、自由惑星同盟側も、損傷した艦艇を伴って、いったんはアーレ・ハイネセンに後退させることになった。この隙にイゼルローン要塞が前進してきたため、当然ながら帝国との距離は縮まって主砲は再び封じられたのである。
この戦いが終わったのち、フィオーナたちは帝国側に連絡し、指示を仰ぐこととなる。これは事前に想定され、イルーナやラインハルトたちと何度も話し合いの末に用意していた通りの通信だった。
敵の勢力は侮りがたし、主砲射程に関しては敵に一日の長あり。我、イゼルローン要塞を帝国本土出口に後退せしめんとす。指示を乞う、と――。
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