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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第246話 ボスを倒したいV
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干した。マナ・ゲージがみるみる内に回復するのを見届けた後にすぐに詠唱に入る。
使うのは魔法の様だ。そして 30秒という気の遠くなる程の時間がかかる理由はその膨大な詠唱時間によるもの。
ALO内での呪文のワードがリュウキを囲み螺旋階段の様に頭上高くにまで登っていく。通常では考えられない程の高さであり、このボス部屋の天井を突き破らん勢いだった。
「あ、あれは……」
後方で支援をしているシウネーだけにその光景を見る事が出来ていた。
考えられない程の詠唱文の量。詠唱文は少しでもミスをしてしまえば、その時点で
失敗
(
ファンブル
)
となり、煙の様なエフェクトと ぼうんっ! と言う音が出て止まる。
つまり、高難度の魔法程成功させる難易度が遥かに高いという事だ。記憶力が非常に良いという事がよく判った。言葉で表すだけでは足りない。30秒間と言う時間であれだけの量を唱えるというのも圧巻だった。
――15秒。
「たぁーー!」
「やぁっ!!」
ユウキとランの連携が、巨人の攻撃を遮り。
――10秒。
「はぁっ!」
「せいっ!」
アスナとレイナが、一瞬で巨人の足元にまで接近し攻撃を加える。
――5秒。
「おらぁ!」
「てやっ!」
「このっ!!」
「ふっ!!」
ノリ、タルケン、ジュン、テッチも持ち前のチームワークで一切のダメージも寄せ付けない。
そして 唱え続けるリュウキまでの道も、決して開かせない。30秒間と言う長い時間を守り続ける為に。
決死の攻防。軍配が上がったのは《スリーピングナイツ+α》。
「よし! 皆離れろ!!」
リュウキの言葉に反応して散開。
螺旋状に伸びていた詠唱文は一斉に輝きだし、光の矢となって空高く放たれた。
そして巨人の頭上に2つの闇が現れる。
「わっ、ひょっとしてさっきの人が使ったのと同じヤツかなっ!?」
ユウキは、回避しつつこれから放たれる攻撃魔法(多分)に胸を躍らせていた。
先程の回廊でリタが放った隕石の魔法を思い返している様だ。
だが。
「ううん、違う。……これ 違うよ。あの魔法じゃない」
レイナは直ぐに気付いた。
リュウキの根源元素の魔法、隕石を当てる魔法は何度か見ている。リタも何度も使用しいたから発生までのエフェクトも大体覚えていた。頭上に現れるのは同じだが 光の矢の様なのは放たれる事は無かったし、闇が2つ現れる様な事は無かった筈だ。
全員が巨人から距離を取れた所で――魔法の正体が明らかになった。
黄金の輝きが部屋を照らしたのと同時に、黄金の中に赤い輝きも発生した。大きな大きな光は1つではない。2つの闇の
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