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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十八話 その死の意味するところ
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声で話題を変えてきた。
「それにしても俺達は輸送船、ヴァレンシュタイン少佐は第五艦隊、偉い違いだ」
「第五艦隊も文句は言えんさ。なんと言っても同盟軍が勝てたのは少佐の用意した対空防御システムのおかげだからな。あれが無ければ良くて引き分け、悪けりゃ負けた上にこの基地も破壊されていた」
俺の言葉に三人が頷いた。いや三人だけじゃない、周囲に居る人間も頷いている。ヴァンフリート4=2の戦いはヴァレンシュタイン少佐の力で勝った。その事を疑う人間は居ない。
「またあの人と一緒に戦いたいですね、あの人の指揮なら長生きできそうだ」
ブルームハルトの言葉に思わず苦笑した。まるでヴァーンシャッフェ大佐の指揮では長生きできないと言っているように聞こえる。そして俺はそれを否定できない。
「何時かはそんな日が来るさ、だから生き延びろよ、ブルームハルト」
「それ、結構難しそうですよ、中佐」
「だが不可能じゃない、そうだろう?」
俺の言葉にブルームハルトは苦笑交じりに頷いた……。
帝国暦 485 4月25日 イゼルローン要塞 ラインハルト・フォン・ミューゼル
「大丈夫か、ミューゼル准将」
「大丈夫だ、リューネブルク准将」
俺の言葉にリューネブルクは少しの間黙って俺を見ていた。キルヒアイスの死後、リューネブルクが俺を心配そうに見ている事は分かっていた。だが声をかけてきたのは今日が始めてだ。
リューネブルクの眼には明らかに俺を気遣う色が有る。何処かで煩わしく思いながら、それでも受け入れている自分が居た。妙な気分だ、初めて会ったときは嫌な奴としか思わなかったのに……。
しかし、俺が生きているのは間違いなくこの男のおかげだ。この男が地上部隊の総指揮官でなければ俺は死んでいただろう、キルヒアイスと一緒に……。あの撤退からもう二十日近く経つ、今でもあの四月六日、七日の事は鮮明に思い出す……。
反乱軍はこちらの撤退に追撃を仕掛けては来なかった。撤退は何の支障も無く、一人の犠牲も無く行なわれた。問題が有るとすれば何の支障も無く撤退できた事だろう。何故敵は追撃してこないのか?
『ミューゼル准将、応答してくれ』
「こちらミューゼル」
乗り心地の悪い装甲地上車に揺られながら通信機に答えた。
『敵は追撃してこない、卿はこれをどう思う?』
「可能性は二つ。一つ、敵にはこちらを追撃するだけの戦力は無い」
『却下する、そんなひ弱な敵なら俺達は退却などせん。もう一つは?』
「こちらをいつでも殲滅できるだけの戦力を持っている。おそらくは膨大な航空戦力を持っていると思う」
何度か舌を噛みそうになりながらリューネブルクに答えた。全くこの乗り心地の悪さは何とかならないのか。
『同感だ、全く可
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