第三章
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「頼むぞ」
「わかりました」
「君は学芸員の資格とだ」
「この体格で、ですね」
「この美術館に入ったからな」
学芸員の資質も見事であるがだ、最初は大学を卒業後地方の美術感で勤務していたがそこで見事な鑑識眼と知識を買われてルーブル美術館にスカウトされたのだ。
そしてだ、その体格と身体能力も買われてだったのだ。学芸員もいざという時にそうした者も必要だと館長が考えてだ、
「頼むぞ」
「そうさせてもらいます」
「そうな、しかしな」
「どうしてもですね」
「その女性が何者か」
「そのことは本当に問題ですね」
「冗談抜きで幽霊か何かの方がましだ」
テロリストであるよりはというのだ。
「遥かに」
「それは本当にそうですね」
ブリゲーニュも言う。
「あの連中は幽霊より性質が悪いです」
「悪魔や怪物よりもな」
「その通りですね」
「悪魔や怪物も手前勝手な正義を振りかざして無関係な人を殺さないさ」
それも爆弾等を使って不意打ちでだ。
「難民に紛れて入ってきてな」
「悪魔は契約で動きますからね」
キリスト教の悪魔はだ。
「そうした連中ですから」
「怪物はその場で暴れるだけだ」
「やっぱり手前勝手な正義を振りかざさないですから」
「だからいいんだ」
悪魔や怪物の方がというのだ。
「ずっとな」
「全くですよ」
「わしは幽霊は信じている」
「僕もです」
このことは二人共だった。
「それは」
「この目で見たことはないが感じたことはあるからな」
そうした存在をというのだ。
「だから信じている」
「僕は感じたこともないですが」
「それでもか」
「信じてはいます」
幽霊の存在をというのだ。
「魂ですからね」
「幽霊はな」
「やっぱりいます」
人間に魂があるにならというのだ。
「そうなりますか」
「そう考えているか」
「キリスト教ではなく東洋的な考えですが」
ちなみに二人共カトリックだ、フランスの宗教は伝統的にこの宗教が強い。ただフランス人の信仰は近代哲学の影響か冷淡だという意見が多い。
「そうした考えです」
「まあそれも考えだな、とにかくな」
「はい、警戒ですね」
「用心はしないとな」
「何かあってからじゃ遅いですからね」
「遅いなんてものじゃない」
テロ、それが起こってはというのだ。
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