第二話 異世界その一
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第二話 異世界
久志はトール神の教会の中でトールに仕える神官からこの世界のことを聞いた、この世界はというと。
「じゃあ二つの島がですか」
「そうです、巨大な島がです」
神官は久志に話した。
「二つ浮かんでいてです」
「巨大な鳥に乗ってそのうえで行き来している」
「幸い二つの島には交流がありまして」
そしてというのだ。
「時折そうして行き来しています」
「そうなんですね」
「そして時折です」
「俺達みたいに他の世界から来た」
「そうした方々が来られていまして」
この島にというのだ。
「あちらの島でもそうだとか」
「東の方の島でも」
「そして二つの島の外の世界は」
そちらはというと。
「空と海だけがあります」
「下は海ですか」
「何処まで広がっているかもわからない」
「そこまで、ですか」
「この島、西の浮遊大陸と呼ばれていますが」
神父は島の呼び名も話に出した。
「この大陸が果たして何十入るか」
「そこまで広いのですか」
「百かも知れません」
「海は広いのですか」
「そして言い伝えではです」
神父は久志、そして英雄にさらに話した。
「その海には幾つもの大陸が眠っていると言われています」
「大陸が」
「大海原の中に」
「おそらくだ」
英雄はここまで聞いてだ、神父に目を向けて言った。
「ここは星だ」
「星?」
「別世界の様だが星だ」
「星だといいますと」
「球だ」
こう神父に言ったのだった。
「宇宙、空の中に球として浮かんでいる」
「人間の世界、神々の世界で海の果てには世界蛇がいるのでは」
「中央に大樹があるな」
「世界は」
「神々の世界、あんた達の心の世界ではそうだろう、しかしだ」
「この世界はですか」
「星だ、星の一つだ」
英雄は彼の知識から神父に話した。
「俺達の星地球よりも遥かに大きい星の様だが」
「お話が見えませんが」
「済まないが俺の世界の話だ」
この世界のことではなく、というのだ。
「だからわからないのも当然だ」
「左様ですか」
「そもそも俺達の世界には空に浮かんでいる島なぞない」
「はい、そうしたものはないです」
久志も神父にこのことは確かだと話した。
「一つも」
「そうなのですか」
「はい、海はありますが」
「この大陸が百も入りそうな」
「そうした海はないです」
そうだというのだ。
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