暁 〜小説投稿サイト〜
剣の世界で拳を振るう
稀少な食材で一時の休息を
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
成し、クラインが音頭を取った。
テーブルには様々な料理が並べられており、その全てが良い匂いを出していた。

「遠慮なく?本当に良いのね?」
「え?お、おう。そのための料理だからな!
それに俺はついてるからな!フライング・バッファローなんかまたドロップさせてやるぜ!」
「おおー!じゃあクラインの分も食べれるわね!」
「ええ。またドロップさせられるなら今回は見送っても問題ないわよね」

クラインの男泣きが予想できた。

「えぇ?いや、俺も…」
「何だ?さっき言ったのは嘘だったのか?」
「そうね。でもクラインが言うなら…遠慮した方がいいのかしら」
「うぇ!?」
「クラインさん…そうですよね」
「いや、あの…」
「あーあー折角お腹一杯食べられると思ったのになぁ」
「ぐ、ぐぬぬ…」

コイツらホントにノリが良いな…クライン敗けが確定してるじゃねぇか。
そのうち虚勢はって後悔し始めるぞ…。

「おおよ!S級食材なんて幾らでも取ってこれるからな!俺のことは気にせず、鱈腹食ってくれ!」

ほらみろ…。まぁ、仕方無いよな…。

と、そんなわけでクラインを除いた皆が次々に取り分け、食べ終わる頃にはヒレ肉が二枚残るだけだった。

「最後の二枚だな…」
「…悪かったわよ。だからそんなメソメソ泣かないでよね」
「な、泣いてねぇし!」
「ほら、クラインが食べろよ。一応、クラインが取ってきた肉だからな」
「キリの字ぃ…」

案の定男泣きを披露したクラインは、手をさしのべたキリトに泣きつく。
まぁ問題は無い。

「きゅるぅ…」
「え?ピナってああ!ごめんねピナ。ピナの分忘れてた!」
「えあ!?」
「シリカ…」

これはヒドイ。残った肉を颯爽と箸で掴み、ピナへと持っていったシリカ。
皆唖然。此ばっかりはどうすることもできない。

「シリカの所業に全クラインが泣いた」
「あっ、ごめんなさいぃ!悪気はなかったんです!」
「さすが、《クライン・バッキャロー》…こう言うことも予想されていたと言うことか」
「止めてやれよ…最初に言った俺もそうなんだけど」

無言で床に手をつくクライン。
俺はゆっくりと寄り添い、肩に手をおいて振り向かせた。

「ケン…?」
「まぁ、こうなるだろうなぁとは思ってたからな…ほら、お前の分は取っておいた」
「う、うおぉ…おおおおお!ケェェェン!!」
「うわ、抱きつくな!料理おとすぞ!」
「心の友よぉ!」
「ジャイ○ン!?」

こうして蟠りを残すことなく、その日は盛り上がった。

「そう言えば…何か忘れてる気が…」

OSSについて思い出した頃には、皆解散していた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ