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マイ「艦これ」(みほちん)
第21話(改2.0)<白い傷>
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しますと秘書艦様より『司令の話し相手になって下さい』と勅命を受けました」
「祥高さんが?」

苦笑する蒼い髪の記者以上に私自身が困惑した。
だが、ここは秘書艦の意思に沿ってみるか。
「分かった、入れ」

「はい。では、ちょっと失礼して」
いったん廊下に戻った彼女は魔法瓶と、お盆を手に戻ってきた。

「準備が良いな」
私は少し身を乗り出す。

すると彼女は照れたように言う。
「あは。これは青葉ではなくて鳳翔さんからの(ことづ)けです」

「なるほど」
私はそれらを応接セットへ置くように言った。

「失礼しまぁす」
青葉さんは準備を進めながら補足する。

「ここでの内容は機密準拠で内密に、との指示も受けました。以後、記録外ですので、ご安心下さい」
「え? あぁ」
抜かりがない。私は準備する青葉さんの反対側の席に腰を下ろした。

 彼女が来たことで私の迷いも留まるかも知れない。

お茶を出しながら彼女は言った。
「えっとぉ、差し障りある部分は省いて結構ですから。青葉を『言葉の駆逐艦(デストロイヤー)』と思って、ぶっちゃけて下さい」
「あ? そう」

 私は準備されたお茶をすすりながら頭を整理してみた。
だが一度、消し飛んだ感情は簡単に戻ってこない。

青葉さんは自分のお茶を注ぎながら言う。
「あのぉ、これは青葉の想像ですが。司令は私たち艦娘に(わだかま)りがあるのでは?」

「んっと」
図星だと思う。

私は決意して深呼吸をする。海を見ながら淡々と話し始めた。
「舞鶴に居たとき大失敗した」
「あ」

彼女は直ぐに目をそらし下を向く。
「す……済みません」

「いや、気にしなくて良い」
(やはり舞鶴のことは知っているか)

私はソファの背もたれに腕を回して窓の外を見た。
「確か、あの頃、全国の鎮守府が敵の連続攻撃を受けていたね」

その言葉に青葉さんも続けた。
「はい。えっと我が国最強とされる横須賀でさえ敗北の一歩手前まで追い込まれました」

その説明で私は少し心が軽くなった。

「えっと」
彼女は何かを思い出すように天井を見上げた。

「その頃って全国で艦娘の扱いが真っ二つに割れていましたね」
「そうなのか?」
その事実は初耳だった。

青葉さんは軽く頷く。
「はい。某80年後半から艦娘を人間の兵士と同様に扱う『穏健派』と、単なる兵器として運用する『強行派』に分かれました」
「あぁ、それは今でも聞くな」

彼女は続ける。
「『穏健派』は呉や横須賀に多くて舞鶴や佐世保では『強行派』が幅を利かせていました」
「フム」

「んで、この強行派を『ブラック鎮守府』と揶揄する人も居ました」
「へぇ」
腕を組んだ私も思い出し
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