第四十八話 進路を決めてその二
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「実際になるつもりはね」
「ないか」
「ちょっと、あの人見てたら」
衝夫のことだ、既に刑務所で鍛冶元共々謎の死を遂げているが忘れられるものではない。それで位まも言ったのだ。
「どうもね」
「あいつは下の下以下って言ってもまだ足りない奴だったけれどな」
「ああした人も学校の先生になれるから」
「それ自体が異常なんだけれどな」
「そういうのを見てきたから」
「だからか」
「ちょっとね」
微妙な顔で言った。
「学校の先生にはなりたくないわ」
「ああした奴がいるからな」
「流石にあんな人少ないわよね」
「どうだろうな」
「そうでもないの」
「学校の先生の犯罪とか多いからな」
暴力事件や正犯罪、横領等がだ。学校の教師の犯罪率の多さは暴力団関係者より多いかも知れないのではと思える程だ。
「やっぱり悪事がばれないからな」
「だからなのね」
「しかも権力あるからな」
教師としてのそれがだ。
「やりたい放題しようと思えばな」
「出来るから」
「だからなんだよ」
それでというのだ。
「ああした奴は確かに少ないだろうけれどな」
「少しましな位の人がいるの」
「そうみたいだぜ、だからな」
「学校の先生には」
「気をつけた方がいいな」
現実問題として、というのだ。
「悪事がばれない世界ってな」
「それだけでとんでもなくて」
「腐っていくだけだぜ」
チェック機能が働かない権力だ、それがどれだけ腐敗してどうしようもないものであるかは言うまでもない。
「だからな」
「注意して」
「ああ、ならない方がいいな」
「やっぱりそうなのね」
「さもないとな」
「またああしたことがあるから」
「ああ、御前はならない方がいいな」
どうしてもというのだ。
「学校の先生には」
「やっぱりそうなのね」
「ああ、ただ教員免許持ってたらな」
資格自体はとだ、龍馬は優花に話した。
「学習塾の講師にもなりやすいし」
「予備校の先生とかにも」
「だからそれはそれでな」
「いいのね」
「ああ、そう聞いてるぜ」
「それじゃあ」
「資格自体は取った方がいいな」
こう優花に話した。
「やっぱり」
「そう、それじゃあ」
「塾の先生の世界の方がましだろうな」
学校の教師の世界よりもというのだ。
「正直」
「じゃあ」
「ああ、資格はな」
「どんどん取っていくべきね」
「俺も取られる資格はな」
「取っていくのね」
「そのつもりだよ」
自動車免許なり何なりをというのだ。
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