暁 〜小説投稿サイト〜
亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十六話 疑惑
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
宇宙暦 794年 4月12日  ヴァンフリート4=2  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン


ヴァンフリート4=2の戦いは原作とは違い同盟軍の勝利で終わった。グリンメルスハウゼン艦隊は同盟軍第五艦隊、第十八攻撃航空団の攻撃を受け壊滅。司令官グリンメルスハウゼン中将は旗艦オストファーレンもろとも爆死した。

地上部隊は第三十一、第三十三戦略爆撃航空団の集束爆弾による絨毯爆撃攻撃を受けこちらも壊滅、最終的にヴァンフリート4=2を脱出出来たのは約五百隻、兵は五万人に満たない数だろう。当初グリンメルスハウゼン艦隊は一万二千隻の兵力を有し兵員数は百二十万人はいたはずだ。その九割以上がヴァンフリート4=2で戦死したことになる。

帝国軍主力部隊がヴァンフリート4=2に来襲したのはグリンメルスハウゼン艦隊が壊滅した後だった。第五艦隊、そして第五艦隊に続けて来援した第十二艦隊と帝国軍主力部隊は衝突。ヴァンフリート4=2の上空で艦隊決戦が始まった。

帝国軍総司令官ミュッケンベルガーはグリンメルスハウゼンを殺されたことで怒り狂っていたのだろう、或いは自分の立場が危うくなった事を認識し恐怖に駆られたのかもしれない。凄まじい勢いで同盟軍を攻め立てた。

同盟軍第五艦隊はグリンメルスハウゼン艦隊を攻撃した直後に来襲された事で艦隊の隊形を十分に整える事が出来なかった。そのため同盟軍は当初劣勢にたたされた。ミュッケンベルガーは勝てると思っただろう。

残念だったな、ミュッケンベルガー。お前は艦隊決戦にこだわり過ぎた。地上基地の危険性を見過ごしたのだ。当然だがそのつけはおまえ自身が払わなければならない。

同盟軍の危機を救ったのは基地に配備された四千基の対空防御システムだった。対空防御システムは一基あたり三門のレーザー砲を持つ。その対空防御システムから放たれた一万二千のレーザーが帝国軍を襲った。

損害は大きくはなかったが帝国軍は混乱した、そしてビュコック、ボロディンの両提督にとってはその混乱だけで十分だった。第五艦隊、第十二艦隊は混乱した帝国軍を逆撃、帝国軍は大きな損害をだして後退した。

最終的には帝国軍はグリンメルスハウゼン艦隊を含めれば全軍で五割近い損害を出してヴァンフリート4=2から撤退した。そして今ヴァンフリート星域からも帝国軍は撤退しつつある。文字通り帝国軍は同盟軍によってヴァンフリート星域から叩き出されたと言って良いだろう。

同盟軍の大勝利だ。基地は守られ敵艦隊には大打撃を与えた。俺の周囲も皆喜んでいる。しかし俺は喜べない、俺だけは喜べない。ヴァンフリート4=2から逃げ出した五百隻の敗残部隊の中にタンホイザーが有った。どうやら俺はラインハルトを殺す事に失敗したらしい。

おかげで俺は何を食べても美味いと感じられない。今も士官用
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ