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第四十八話 進路を決めてその一

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                 第四十八話  進路を決めて
 人生、優花は女性としてのそれを真剣に考えていた。そのうえで連休なので長崎に来て共に観光地を回っている龍馬に話した。今の長崎は晴れで雨は青く澄んでいる。
 その海を坂道の頂上から見つつだ、優花は龍馬に言った。
「私八条大学の文学部に行くから」
「そうか、決めたんだな」
「龍馬もよね」
「ああ、経済学部考えてるけれどな」
 笑みを浮かべてだ、龍馬は優花に答えた。
「それで将来トラックの免許取りたいって思ってるんだ」
「トラック?」
「トラックの運転手になりたくてな」
「あれっ、龍馬トラック好きなの」
「最近好きになったんだよ」
 そうだというのだ。
「何かな」
「ううん、トラックね」
「でかいな」
「つまりトラック野郎ね」
「八条グループにもそうした会社あるしな」
「八条運送ね」
「そこへの就職も考えてるんだよ」
 進学の先もというのだ。
「大学入ったら車の免許取って」
「まずは普通ね」
「大型の免許も取ってな」
「大型免許あるといいみたいね」
「トラックと、バスも運転出来たら」
 そちらもというのだ。
「八条バスへの就職も考えられるし」
「車のお仕事したいのね」
「そうなんだよ、そう考えてるんだ」
「そうね、龍馬運動神経いいし集中力もあるから」
「向いてるか」
「そう思うわ」
「よし、じゃあまずは大学に入ってな」
 龍馬は優花のその言葉を受けて言った、男だった時よりも小柄になり今はミニスカートを穿いている親友に。
「それから免許取るな」
「そうしてね」
「やってくな、免許があったら」
「車のね」
「本当に就職に有利だからな」
「私は文学部に入って」 
 優花は自分のことも話した。
「そしてね」
「文学勉強してか」
「教員免許や図書館の書士、博物館員のね」
「そうした資格取ってか」
「やっていきたいわ」
「博物館な」
「そう、そこのね」
 こう龍馬に話した。
「そうも考えてるの」
「御前美術部だしな」
「美術館のお仕事は美術系の人が入ると思うけれど」
「博物館っていっても色々だからな」
「そう、だからね」
「資格あったらか」
「何処かの博物館に入られるから」
 そうなることが期待出来るからというのだ。
「資格は取っておくわ」
「それがいいな」
「図書館もね」
 そちらもというのだ。
「入られたらいいし」
「色々道が開けるか」
「そうしたものだから」
「そうか、それで学校の先生の資格もか」
「そっちは多分資格持ってるだけよ」 
 優花は教員免許についてはだ、こう答えた。
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