一話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
俺のせいで俺のそばから消えたんだけどな」
サイカはそう言うと部屋の扉を開ける。
「さて、行くぞ。とっとと魔剣になれ、禍津に狼炎」
「仕方無いわねぇ......」
「お姉ちゃん!」
禍津は渋々、狼炎は禍津を怒りながら魔剣状態へとロックされた。それを拾って背中に装備すると階段を下りて酒場へと移動する。
酒場はいつもみたく賑わっており、昼でも夜でも活気が絶えないいい酒場だった。
そんな酒場の出入り口を開けようとすると、ビュンッ!と音をたててなにかが飛んでくる。
「忘れもんだよ!」
「おわっと!?」
投げたのは酒場のおばちゃん。どうやら今日はパンが食事らしい。
「気を付けて行きな!帰ってこなかったらぶっ飛ばすからね!!」
「分かってるよー。行ってくる」
サイカは手をあげて言うと、出入り口を開け、外に出る。
そして、割と近くに止めてあるサイドカー付きの魔導バイクに乗り込むと、カグツチはサイドカーに乗り込む。
「主、ロルリアンレットには警戒した方が良いぞ。前の事もあるからな」
カグツチは今にも魔剣状態になりたいと思う顔をしながら言う。
以前、仕事でロルリアンレット世界図書館に行ったことは有るものの、その全てがロルリアンレットの主、《司書王》ロルリアンレットによって仕組まれたものが大半であるため、カグツチは苦手意識を植え付けられている。
とは言え、今回は個人的な頼みなので、我慢しているのだろう。
「まぁその時は悪いが手伝ってくれカグツチ。勿論お前らもな、禍津狼炎?」
『いや』
『お姉ちゃん!!』
もうめんどくなってきたと思いながらも、魔導バイクのイグニッションキーを回して起動させ、ロルリアンレット世界図書館に移動を開始した。
《ロルリアンレット世界図書館》
魔剣のデータや魔界の全てのデータが保管されている司書王の管理区域。
ここには封印指定の物から太古の書物が揃っており、何かを調べるにはうってつけの場所だったりする。
因みに、ここではギルドと呼ばれる魔剣使いの集まりの手伝いなどもしており、全ての魔剣使いは例外なくここを訪れる。たまに司書王直々の依頼も在るため、下位の魔剣使いやE.D.E.Nの一部の魔剣使いは寄り付かない。まぁ、理由は二つあり、一つは司書王ロルリアンレットの威圧感。そしてもう一つは......。
「お待ちしておりました、サイカ様」
目の前のメイド、ププッピマリーが原因だ。彼女はメイドでありながら、魔剣使いである俺たちの身体能力を越えた動きをする。初対面であっても司書王の命であれば、魔剣使いだろうと何だろうと殺せる。
「出やがったな司書王の護衛メイド......」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ