アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
不穏な会敵
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者に備えるなのは。数秒後、曲がり角の向こうから何かが飛びだす。
反射的に魔力弾を放ちそうになるが抑える。飛び出してきたのは、武装隊の誰かだった。
「ぐ……ヤロウ……本当に同じ人間か!?」
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「っ!?……ああ、嬢ちゃん達か。大丈夫とは言えないな。」
どうにか立ち上がった男の姿は既にボロボロで、戦闘が継続できる状態ではなかった。
「……下がってください、後は私達が。」
「……そうは行くか、と言いたいんだがな。このザマじゃあ足手まといだな。気を付けろよ。奴、妙な防御魔法を使う。」
「……妙、ですか?」
「ああ、射砲撃が届かないんだ。仕組みは知らないけどな。」
気を付けてくれ。もう一度そう言った後、男は退がっていった。
男を見送り、再び侵入者に備えた二人は、あることに気付く。
「これは………!」
「キレイだけど……何だろう?」
アースラの近未来的な廊下を、銀色に煌めく何か小さな物が舞っている。一つ二つではない。無数に、それこそ廊下を埋め尽くすレベルで、だ。
「………あんたらか。管理局のトップエースってのは。」
鋭く、冷たい声。感情の起伏も、それどころか敵意すら感じ取れない程に無機質な視線。ひらひらと舞う銀色の中にその少年ーーーー白峰暁人は立っていた。
(高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。八神はやては出さないか。まあ広域型って話だからな。)
冷徹に現況を分析する暁人。それとは対照的に、なのはとフェイトは目の前に現れた暁人の異質さに戸惑っていた。
(……何を考えてるんだろう?)
(……全く何も読めない。)
二人は管理局員として、前線で戦ってきた。
当然犯罪者と接触し、様々なコンタクトをとってきた。
敵意や殺意を向けられた事がある。好色な目で見られた事もある。理解できない狂気を見た事もある。だけど、
彼、暁人からは何も感じられない。何も分からない。彼が何を感じて、何を考えているのが。
「えっと……君が犯人で、いいんだよね?」
「それ以外の何に見える。」
平坦な声で切り捨てた暁人。正直に言えば直ぐにでも戦闘を始めたいのだが、彼はカウンタータイプである為に自分からは余り仕掛けたくはなかった。
「何でこんな事してるの?」
「……教えたら見逃してくれるか?」
暁人は知っている。彼女達の正義と自分の正義は決して相容れない事を。彼は妹を救う為なら世界すら敵に回せる。彼女達が管理局員である限り、その考えを認める事など出来ないのだ。
「せめて理由だけでも教えて?何かあるなら力に……」
「くどい。……ゴチャゴチャ言わずに、来いよ。」
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