第12話
[1/9]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
12月6日、同日10:00―――
〜貴族連合軍旗艦・パンダグリュエル・甲板〜
「ふわああっ……」
貴族連合軍の旗艦―――”パンダグリュエル”の甲板で煙草を吸っていた真紅のコートを纏った男――――結社”身喰らう蛇”の執行者No.T”劫炎のマクバーン”はあくびをした。
「―――フフ、随分と暇そうではないか。」
するとその時白いマントを纏った仮面の紳士が艦内への出入り口から現れて男に話しかけた。
「……ブルブランか。暇なのは当たり前だろうが。相手は雑魚ばっかりで、愉しめそうな相手は一人もいないしよ。」
「フフ、”鋼”殿と並ぶ強さを持つと言われている君を愉しませる相手を持ってこいなんて、無茶な注文だよ。まあ、君の気持も理解できるよ。我が好敵手や”有角の若獅子”達も一向に動きを見せないしね。」
マクバーンの言葉に対して仮面の紳士―――結社”身喰らう蛇”の執行者No.]”怪盗紳士ブルブラン”は静かな笑みを浮かべて答えた後マクバーンの言葉に同意するかのように若干不満げな表情になった。
「お前はいいよな……ガキ共相手に愉しめる意味不明な頭をしていて……こうなったら、いっそ”蒼の騎士”とやりあえるように”深淵”に掛け合おうかね。”騎神”とやらが相手なら、ちょっとは愉しめそうだしな。」
「ハハ、それは無理な相談だろう。”蒼の騎士”は”幻焔計画”に必要な存在だし、そもそも”深淵”殿が自分の騎士を”鋼”殿と並ぶ”結社最強”である君と戦わせるみたいな計画に支障が出かねない事に絶対に首を縦にふらないだろう。ただでさえユミルの件が失敗した挙句”黒兎”を失った事による想定外の出来事に内心焦っているだろうしね。」
「……メンフィルか。そう言えばアルバレアが雇った猟兵共が襲撃したのはユミルだったな。クク、いっそ”ハーメル”の件のようにユミルの件を盾にしてメンフィルがこの内戦に介入して来たら、愉しめそうなんだがな。メンフィルにはレーヴェの阿呆に加えて”英雄王”を始めとした愉しめそうな連中もゴロゴロいるって話だろう?」
ブルブランの話を聞いてある事を思い出したマクバーンは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「フフ、そうなったらそうなったで私も更に愉しめそうなのだがね。メンフィルが出てくれば、必ず我が麗しの姫君の一人も出てくるだろうしね。」
「――――うふふ、懲りずにまだプリネお姉様とクローゼお姉さんを狙っているなんて、いけないストーカーさんね。」
ある人物を思い浮かべたブルブランが酔いしれた表情で答えると空から少女の声が聞こえてきた。
「あん?」
「この声は確か………」
突然聞こえてきた声にマクバーンが首を傾げ、心当たりがあるブルブランが眉を顰めて
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ