第四章
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「自動車も昔のはね」
「知らないか」
「知らないわよ」
本当にだ。
「オート三輪もね」
「ああ、また凄いの出て来たな」
「あれどんなのだったの?」
「だから前が一輪の車だよ」
「あれ四十年代まだ道走ってたの」
「そうだったんだよ」
「成程ね」
「テレビ番組もな」
こちらの話はお祖父ちゃんからしてきた。
「面白かったな」
「仮面ライダー最初の頃よね」
「こんなに続くなんて思わなかったな」
「その頃はなの」
「今も続くなんて思わなかった、ウルトラマンもな」
こちらのシリーズもというのだ。
「今も続いてるなんてな」
「思わなかったの」
「とてもな」
「多分これからも続くわよ」
この二つのシリーズだけじゃなくて戦隊ものもだ、私としては出て来る俳優さんが所謂イケメン揃いなので嬉しい。
「どちらも」
「そうだろうな、時代劇も多かったな」
「時代劇?」
「遠山の金さんとか銭形平次とかな」
「時代劇観ないから」
私はだ。
「そっちも多かったの」
「映画も多かったな」
「そんな時代だったのね」
「今よりもな」
「ううん、何かね」
聞いているとだ、私としては。
「四十年代も色々あったのね」
「今とは全銭違う」
本当にという返事だった。
「それこそな」
「五十年位前?」
「もうそうなるか」
「だからなのね」
「全く違うさ、だから御前が笑った曲もな」
あの曲もというのだ。
「あの時は最新でな」
「大ヒットしたのね」
「そうだよ、しかしな」
ここでお祖父ちゃんはふと遠い目になってこんなことも言った。
「あの頃はホークスも南海だったな」
「本拠地大阪だったのよね」
「ああ、大阪市の真ん中に球場があったんだよ」
「大阪球場?」
「難波駅の近くにな」
まさにそこにというのだ。
「あったんだよ」
「そうだったのね」
「今はないけれどな」
その大阪球場もというのだ。
「あったんだよ、お祖父ちゃんは行かなかったしな」
「ここ東京だしね」
「東京も東京球場ってあってな」
「東京球場?」
「十年でなくなったんだ」
この球場のことは私も知らなかった、本当に。
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