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女々しくて
第五章

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「いいな」
「飲んだしな」
「それで忘れたか?」
 俺にこのことも聞いてきた。
「それで」
「どうだろうな、正直今はな」
「二日酔いが辛くてか」
「それどころじゃないな」
 今は本当にそうだった、頭があんまりにも痛くて。
「何かな」
「それでいいんだよ」
「いいか?」
「ああ、親父はもう会社に行ってお袋がいるけれどな」
「おばさんに悪いな」
「お袋もそんなの気にしてないさ」
 俺にまた穏やかな声で言ってくれった。
「だからな」
「今はか」
「風呂に入ってな」
 そしてというのだ。
「酒抜いてすっきりしろ」
「じゃあ言葉に甘えてな」
「それから御前の家に帰ってだ」
 そしてというのだ。
「休め」
「それじゃあそうするな」
「俺はもう学校に行くな」
「色々と悪いな」
「悪くない、俺も御前によく助けてもらってるんだ」
「そうか?」
「御前が気付いてないだけだ、じゃあな」
 鞄を持ってまた俺に言ってきた。
「風呂入れよ」
「そうさせてもらうな」 
 俺は応えてだ、ツレが学校に行くのを見送ってからだった。そのうえで実際におばさんに言って風呂を借りた。
 ここでだ、おばさんにバスルームに向かう時に言われた。
「一回湯舟に入ってからね」
「それからですか?」
「十分位入ってね」
 そしてと俺に話してくれた。
「一回冷たいシャワーを浴びて身体を冷やしてまた入る」
「そうしたいいんですか」
「それを二回か三回やったら」
 それでというのだ。
「お酒は完全に抜けるよ」
「そうなりますか」
「だからね」
「はい、今からですね」
「そうて入ってきなさい」
「わかりました、それじゃあ」
「そうして入ってね」
 こう俺に話してくれた、そして実際にだった。
 身体を洗って湯舟に入る、それからおばさんのアドバイス通り一回湯舟から出て冷たい水のシャワーを浴びて身体を冷やしてからまた入る、そうして湯舟に三回位入った時にはもうだった。
 二日酔いが完全になくなっていた、それで俺は風呂からあがっておばさんにすっきりとした顔で言った。
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