第三章
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顔を向け合い近づけ合い。
それから唇を重ね合った。それはほんの一瞬だった。
だがキスをしてからそれぞれ顔を正面に戻して俯き気味になって。自由は言った。
「これがキスなんだな」
「そうね。これがね」
「何か。噂じゃレモンの味がしたけれどな」
「何の味がしたの?実際は」
「御前さっき苺のキャンデー舐めてたよな」
「ええ。そうだけれど」
「その味がしたよ」
少し苦笑いでだ。自由は真子に告げた。
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