暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 12 人探しは悪夢の始まり
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ーがナツの腕の中いる少年の視線を落とした。

「ウェンディ、すまんがミラと一緒にこの子の手当を頼む。」
「は、はい!」
「ナツ、医務室までそっと運んでやるんじゃぞ。」
「お、おう。」

マスターに言われたウェンディとナツは医務室に向かう。

「マスター、どうするんですか?」

エメラが恐る恐る問うと、マスターは細い目を更に細め眉間にしわを寄せると、

「命を狙われておるのであれば、匿ってやるしかないのぉ。せめて怪我が治るまでは。」

そう言うとマスターはギルドに戻っていった。ただてさえ小さい背中がいつもより小さく見えたのは気のせいだろうか……?

「私達も中に入ろう。風邪を引いたら大変だ。」
「そうだな。」
「アオイ、大丈夫?」
「あぁ、まぁな。」

エルザの言葉にグレイが頷き、ハッピーがアオイの顔を心配そうに覗き込み、シャルル、エメラ、イブキ、バンリがそれに続いた。

「ルーシィ、僕達も入ろう?」
「……うん。」

コテツに促され、ギルドに入る一歩手前でルーシィは立ち止まり後ろを振り返った。外は相変わらず雨が降り続いている。

(何だか…嫌な予感がする……)
「ルーシィ?」
「あ、うん。今行くわよ。」

ルーシィが中に入ったのを確認してから、コテツがギルドの重いドアを閉めた。誰も気づかなかったが、雨で薄まった血の水溜りには赤色に染まったボロボロの羽根が浮かんでいた。
―――――雨は今も降り続いている。

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