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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 12 人探しは悪夢の始まり
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一体全体どうしたんだよっ!?」
「アオイさん!しっかりして下さい!」

それに倣うようにルーシィ達もギルドを飛び出し、ウェンディとシャルルは未だに腰を抜かしたままのアオイに駆け寄った。

「おいお前!しっかりしろ!」
「ナツ、いったいどうし―――――ヒィ!」

ナツの肩越しから覗いたルーシィは小さく悲鳴を上げた。ナツの腕の中には血塗れの少年がいたのだ。顔が青白く、身体が冷たくなっていた。雨で羽織っていた黒いロングコートも髪の毛もぐっしょりと湿っている。少年が横たわっていたであろう地面には雨で薄まった血の水溜りができていた。腕や腹、額からは血が流れ続けている。

(あれ……?この子、どこかで……)
「ナ、ナツ……その子、死んでるの……?」

エメラが目をパチクリさせる横でハッピーが目に涙を溜めながら恐る恐る問うと、

「いや、まだ脈はある。心臓も……動いてる。」

少年の胸の辺りに耳を寄せながらナツは言った。それを聞いたルーシィ達は心の底から安堵した。

「!」
「バ、バンリ!?」
「お、おい…いきなりどうしたんだよ……?」

バンリが突然後ろを振り返りながら小刀を取り出し、銃に変換させるとギルドの屋根の方に向けて撃った。そのあまりの速さと行動にグレイとイブキは驚嘆の声を上げた。

「………。」

撃った後も、バンリは紅玉(ルビー)のような紅い瞳で屋根の方を睨みつけていた。

「……誰かいたのか?」

エルザが問うと、バンリは黙って頷いた。

「恐らく、さっきの物音はこの少年が屋根から地面に落ちた音だろうな。」
「落ちたって……」

エルザの言葉を聞いたルーシィは再び視線を少年に移す。ずっとナツとハッピーが肩を揺すり呼びかけているが、少年は一向に目を覚まさない。

「多分、何者かに襲われたんだと思う。」
「アオイ…平気か?」
「あぁ。情けねェが、ちょっと驚いただけだ。」

ウェンディの肩を借りながらゆっくりと立ち上がるアオイはまだ若干顔色が悪かった。

「何で、襲われたって分かるんだ?」

グレイの問いにアオイはゆっくりと震える口を開いた。

「ほんの一瞬だけど……全身真っ黒な奴等がギルドの方に向かって来るのが見えたんだ。俺のことを見た瞬間、すぐにどこかにいなくなっちまったけど……。」

アオイの言葉にその場にいた者が皆息を呑んだ。

「じゃあ、バンリが屋根の上で見たのも……。」
「コイツを狙ってた、全身真っ黒な奴等の一人、って訳か。」

ハッピー、イブキが続けて言い、バンリが再び視線を屋根の上に向けた。当然、それらしき姿はもういない。

「とりあえずお主等、その子を中に入れてあげなさい。」
「じっちゃん。」

ツカツカと外に出て来たマスタ
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