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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 12 人探しは悪夢の始まり
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に動かしながらかわしていたのだが、放たれた光線の一つが右翼に直撃し体勢がガクンと崩れた。

「くっ……!」

衝撃に耐え何とか体勢を立て直し再び飛ぼうと雨で濡れた黒い瞳で前を見据えると、

「!しまっ……」

後から駆けつけた黒装束の人間が少年の行く手を塞ぎ、一つ先の建物の屋根の上で杖を構えていた。魔水晶(ラクリマ)から放たれた光線が少年の腹に直撃する。

「ガハッ!」

それを見逃す訳もなく、黒装束の人間達は狙いを定め一斉に光線を放った。

「ぐああああああああああっ!」

そのほとんどが少年の身体に直撃した。翼は消え、ボロボロの少年の身体は重力に倣って落下する。
とある建物の屋根に身体を叩きつけられ、ゴロゴロと転がりながら地面に落下した。

「…ぅ……くぅ……っ……」

起き上がろうとするが、全身に激痛が走り息をするのも辛い。腕や腹、額から血が流れ雨で地面に広がっていく。朦朧とする意識の中、バシャバシャと雨を弾きながらこっちに向かって来る無数の足音が聞こえる。
意識を手放す前に歪む視界の中、少年が最後に見たのは「FAIRY TAIL」の文字だった。





―同時刻 妖精の尻尾(フェアリーテイル)

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達は突然降り始めた雨のせいで家に帰る事ができない者が残っていた。ルーシィもその一人である。

「じゃあ、ウェンディとエメラは同じ人のことを聞かれたの?」
「はい。私とシャルルは南口公園で。わざわざその人達が写っている写真を見せてくれて。」
「確か、白衣着た男と機械をいじってる男の子の写真だったわね。」
「そうそう。」
「私はグレイとジュビアと一緒にマグノリアに向かう列車の中で。男の子の方を優先してくれって言われたよ。」
「わ、そこまで一緒なんて。」

ルーシィ、ウェンディ、シャルル、エメラの四人は同じテーブルを囲んで昼間の出来事を話していた。
ちなみに妖精の尻尾(フェアリーテイル)の女子寮「フェアリーヒルズ」に住むウェンディ、シャルル、エメラは走って帰れる距離なのだが、一人ギルドに取り残されるルーシィを気遣ってここに残っているのである。同じ女子寮に住む、エルザやジュビアやレビィなども居残っていた。

「あたしとコテツは写真のことについては何も聞かれなかったけど、もしかしたらアイツも、ホントは聞こうとしてたのかしら……?それにしても、同じ日に同じ人のことを聞かれるなんて……。」
「偶然、って言えば偶然なのかもしれないけど……。」
「でも、尋ねてきた人はみんな違うんだよね?」
「ルーシィとコテツが「英雄(ヒーロー)」と名乗る男、私とウェンディが誰もが魅了する歌を歌う女、エメラとグレイとジュビアが不思議な蝶々を操る女、そ
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