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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第553話】
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いて自分の席へ移動し、着席すると窓から外を眺めた。


「え? ……た、楯無さん?」


 普段とは違う楯無の対応に戸惑う俺――キスしたことを怒っているのだろうか……?

 何とか女子生徒の集団に言い聞かせ、俺は脱け出すと楯無さんの所へと向かう。

 視線は窓の外へと向いている楯無さん。


「あ、えっと……楯無さん?」


 そう声を掛けた俺に返ってきたのは無愛想な言葉だった。


「……何かしら?」

「え? ……のほほ――本音から書類を預かっていたので渡しに来ました」


 そう言ってクリアファイルを手渡そうとする俺だが楯無さんは顔を此方に向けてくれることはなかった。

 更に返ってきた言葉はというと――。


「放課後でいいじゃない」

「え? ……た、確かにそうですけど……急ぎだと思ったので……」


 明らかに怒気の含まれた声色――内心焦る俺。

 クリアファイルをそっぽを向いたまま受け取る楯無さんから意外な言葉が出てきた。


「本当は二年の教室で女子を漁るつもりだったんじゃない?」

「なっ!? そ、そんな訳ないじゃないですか!」


 そんな唐突な言葉に俺も僅かに怒ってしまう――一瞬ビクッと反応した楯無さん。

 ここで予鈴が鳴り響いた。


「あ……す、すみません楯無さん。 ……書類は渡しましたので、これで……」

「……ご苦労様」


 流石に年上に対して怒ってしまった――それも世話になってる人に一瞬でも感情的になってしまった自分に嫌悪しつつ、一礼して二年の教室を後にした俺は急いで自分の教室へと戻っていった。

 一方の楯無はというと、僅かに涙目になっている自分に驚きつつ、嫉妬してヒルトに対して冷たい態度をとった事に後悔していた。

 自分自身でもわかるぐらい醜い感情を露にし、それをよりによって想いを寄せるヒルトに対してぶつけてしまったのだから。

 嫌われる――思考がネガティブになる楯無、スカートのポケットから携帯を取り出し、メールフォルダを開く。

 メインフォルダの下のメールフォルダ、『ヒルト』の中を見る。

 メール回数は既に五十件を越えていて下から見ていく――業務連絡もあるものの、大半は他愛ない内容――だけど楯無にとっては大事な内容の為、全て保護設定になっていた。

 ……後でちゃんと謝らないと。

 メールを送って謝罪するのは簡単だが、それだと気持ちが伝わらない。

 携帯をポケットに入れ、軽く呼吸を整えると気持ちを何とか切り替えて授業の準備に取り掛かった。

 場所は変わりイルミナーティ本部、ウィステリア・ミストはヨーロッパ各地から送られてくる資料に目を通していた。


「ふ
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