第六話:潜入、倉持技研
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
レギュラーの排除に向けて動き出すことにした。通風ダクトから天井を伝い、部屋の見張りをしている人間に飛びかかると、たやすく絞め殺した。装備を漁ってみるとナイフ、拳銃、サブマシンガンに手榴弾といった、一般兵染みた装備をしていた。
ラシャはナイフとサブマシンガンを拝借すると死体を別のダクトに隠し、再度戻って天井に張り付いていた。そのまま兵士を数人確認すると部屋に降り立ち、幾つかの端末を敢えて起動させた。端末の起動音に兵士たちが反応する。
「今のは何だ?」
「HQ、異常発生。確認する」
「見てこいキャリア」
その隙に別の端末を起動させると、ラシャはUSBメモリをセッティングしてウィルスを送り込んだ。
「動くな」
突如、ラシャの後頭部に硬いものが押し当てられた小口径の拳銃だとラシャは予測できた。同時に所持者は年端もいかない少女であると、声色で感じ取った。
「そのまま両手を挙げて銃を捨てろ」
ラシャは言うとおりにサブマシンガンを捨て、両手を上げる。同時にバラクラバが剥ぎ取られ、素顔が顕になる。
「HQ、第三者とコンタクト。対応願う」
「あら、意外といい男じゃない」
「連れ帰っちゃおうか?」
「嫌よ、とっとと殺しましょう」
殺してしまった奴らは不明だが、存外女が多い編成のようだ。自らの顔を見て喋っている輩や、背後で未だ武器を構えている少女。ラシャはISの所持を警戒することにした。
「M!ささっと片付けちゃいましょう!!」
リーダーらしき女が号令を下す。
「うるさい、私に指図するな…あ、あなたは!?」
Mと呼ばれた少女は、顕になったラシャの素顔を見て数歩たじろいだ。バイザーで顔を隠しているが、驚愕の表情を浮かべているのであろう。その動揺をラシャは見逃さなかった。
直ぐ様Mを突き飛ばすと、没収を免れた拳銃を引きぬき、自らを殺すと言い放った女の脳天に二発発砲し、脳漿を床にぶちまけさせた。
「貴様!!」
リーダー格らしき女が拳銃を向けてきたが、ラシャは近くにあったワイヤレス電話の受話器を瞬時に投げつけた。受話器は銃口に命中し、射線を逸らされた弾丸は近くの女性隊員の脚を撃ち抜くだけに終わった。
ラシャはデスクのハサミ等を拝借すると、別の隊員に投げつけて牽制しつつ逃走を開始した。クラッキング用のコンピューターウィルスは仕込み終わったのだ、もはや倉持の敷居をまたぐ必要は無い。
拝借した手榴弾を追手に投げつけつつ、ラシャは正面扉を拳銃で破壊すると、夜闇にまぎれて倉持技研を後にした。ちょうどその頃、定期連絡の途絶えた事を理由に警備会社が倉持技研に突入し、内部の惨状に戦慄すると同時に、ISを増援として持ち出した侵入者相手に壊滅するのだが、それはまた別
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ