第四十七話 成長その十三
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「本当にね」
「お酒は毒にもなるから」
「そう、お薬にもなって」
「毒にもなるから」
「そうしたことも見てきたから」
医師としてだ、優子は実際に病院で見てきたことを思いだしつつ妹に話した。
「注意してるの」
「そうなの」
「だから今は飲めるけれど」
「将来はなのね」
「量を減らしていくわ」
今は飲んでいないがそれでもというのだ。
「そうしないと大変なことになるから」
「そうするの」
「焼酎や老酒もね」
先程挙げた強い酒もというのだ。
「やがては減らしていくわ」
「姉さんがお酒を控えるって」
「らしくないかしら」
「ちょっとね」
苦笑いを浮かべてだ、優花は答えた。
「想像出来ないわ」
「そうよね、けれどね」
「将来はなのね」
「そちらも気をつけていかないと」
「駄目なのね」
「本当にお酒は毒にもなるから」
だからだというのだ。
「年齢のことを考えるのも大事よ」
「流石お医者さんね」
「伊達に何年もそれで生きている訳じゃないわよ」
笑ってだ、優花に言ったのだった。
「だからそこは気をつけてるつもりよ」
「養生ってことね」
「医者の不養生は本末転倒よ」
そうなるというのだ、よくある言葉であるが。
「だから気をつけてるのよ」
「そういうことね」
「そう、じゃあ健康の為にも」
「今は食べるのおね」
「食べることも節制が必要にしても」
それでもと言いつつだ、優子は笑顔で食べている。
「こちらはバランスよく沢山食べることよ」
「それで食べた分だけカロリーを消費するのね」
「それでいいのよ」
「お酒と違って」
「そう、じゃあ残さず食べるわよ」
「ええ、そうするわ」
優花も笑顔で応えてだ、炒飯と餃子も食べた。食べ終えたその時には満腹になっていて満足して店を出た。
店を出てアパートに戻ってだ、優子は優花に言った。
「今日はもう帰るわ」
「泊まっていかないの」
「明日お仕事があるから」
だからだというのだ。
「もう帰るわ」
「そう、お仕事だから」
「今日は休暇貰って来たの」
「そうだったのね」
「日帰りなのよ」
「それは大変ね」
「新幹線だからすぐで中で寝てるから」
それでとだ、優子は優花に微笑んで話した。
「結構楽だけれどね」
「だといいけれど」
「今から帰るわ」
「じゃあ駅まで送るわね」
「悪いわね、それじゃあまたね」
「ええ、またね」
まだアパートにいるが別れの挨拶をした、そうして優子は妹に送られて長崎を後にした。再会を約束したうえで。
第四十七話 完
2016・11・24
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