暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Rose
第四十七話 成長その十三

[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「お酒は毒にもなるから」
「そう、お薬にもなって」
「毒にもなるから」
「そうしたことも見てきたから」
 医師としてだ、優子は実際に病院で見てきたことを思いだしつつ妹に話した。
「注意してるの」
「そうなの」
「だから今は飲めるけれど」
「将来はなのね」
「量を減らしていくわ」
 今は飲んでいないがそれでもというのだ。
「そうしないと大変なことになるから」
「そうするの」
「焼酎や老酒もね」 
 先程挙げた強い酒もというのだ。
「やがては減らしていくわ」
「姉さんがお酒を控えるって」
「らしくないかしら」
「ちょっとね」 
 苦笑いを浮かべてだ、優花は答えた。
「想像出来ないわ」
「そうよね、けれどね」
「将来はなのね」
「そちらも気をつけていかないと」
「駄目なのね」
「本当にお酒は毒にもなるから」
 だからだというのだ。
「年齢のことを考えるのも大事よ」
「流石お医者さんね」
「伊達に何年もそれで生きている訳じゃないわよ」
 笑ってだ、優花に言ったのだった。
「だからそこは気をつけてるつもりよ」
「養生ってことね」
「医者の不養生は本末転倒よ」
 そうなるというのだ、よくある言葉であるが。
「だから気をつけてるのよ」
「そういうことね」
「そう、じゃあ健康の為にも」
「今は食べるのおね」
「食べることも節制が必要にしても」
 それでもと言いつつだ、優子は笑顔で食べている。
「こちらはバランスよく沢山食べることよ」
「それで食べた分だけカロリーを消費するのね」
「それでいいのよ」
「お酒と違って」
「そう、じゃあ残さず食べるわよ」
「ええ、そうするわ」
 優花も笑顔で応えてだ、炒飯と餃子も食べた。食べ終えたその時には満腹になっていて満足して店を出た。
 店を出てアパートに戻ってだ、優子は優花に言った。
「今日はもう帰るわ」
「泊まっていかないの」
「明日お仕事があるから」
 だからだというのだ。
「もう帰るわ」
「そう、お仕事だから」
「今日は休暇貰って来たの」
「そうだったのね」
「日帰りなのよ」
「それは大変ね」
「新幹線だからすぐで中で寝てるから」
 それでとだ、優子は優花に微笑んで話した。
「結構楽だけれどね」
「だといいけれど」
「今から帰るわ」
「じゃあ駅まで送るわね」
「悪いわね、それじゃあまたね」
「ええ、またね」
 まだアパートにいるが別れの挨拶をした、そうして優子は妹に送られて長崎を後にした。再会を約束したうえで。


第四十七話   完


                       2016・11・24
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ