第五話:イレギュラー達と殺人鬼
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ャとゲームをしてた夏の昼下がり、轟音とガラスが割れる音。腹にかかった熱い液体。自らに覆いかぶさり、苦しそうに呻くラシャ。泣き叫ぶ姉。ここまで思い出すと、ひどい頭痛がしてしまうのだ。
「顔色が悪いな。保健室行くか?」
ラシャがよろめく一夏に手を貸そうとしたが、その手は箒によってはたき落とされた。
「一夏の面倒は私が見ることになってますので大丈夫です」
敢えて周囲に聞こえるようなトーンで拒絶の意を伝える箒に、周囲は水を打ったような静けさに包まれ、同時に箒に向けられていた殺気が三割程増加した。
「いやいやいや、入ってきたばかりの子には荷が重いんじゃないのか?俺も決して古株とはいえないが男同士だしとっつきやすいとは思うんだがなあ」
ラシャの説得に、周囲の何人かが首を縦に振る。だが、相手はひるまずに主張する。
「私は一夏の幼なじみです。彼のことはなんでも知ってます」
「そんな俺は一夏の師匠で同居してたわけだが」
だがすぐに反論されて黙りこくる。
「ええ!?あの用務員さん織斑君と同居してたの!?」
「ということは……千冬様とも同棲してたって事よね……?」
「ご、号外!!号外よ!!早く号外刷ってばらまかなきゃ!!」
騒ぎ立てる周囲を他所に、箒はさらなる反論をする。
「貴方はISに乗れない」
「確かに俺はISには乗れないな」
さも当然と頷くラシャの表情に、箒は得意顔になる。
「だが、それとこれとは別だ。ISより大事なもんが人間にはあるのさ」
ラシャは雑にまとめると、土気色な表情をした一夏を背負った。
「あと、お前はもうちょい他人に気を使えるようになれ。そうじゃなきゃお前の姉ちゃんと変わらないぞ?」
「あ、あの人は関係ない!!」
天災である実の姉を引き合いに出されたことが琴線に触れたのか、大声を上げる箒。ラシャは溜息をつくと、取り敢えずそろそろ嘔吐しそうな表情に切り替わりつつある弟分を介抱すべく保健室へと急いだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ