第三話:真夜中の粛清
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の妹まで入学を控えているこの時期に?」
「学園祭までにはお披露目をしたいんだとさ。そろそろ第三世代機のお披露目も世界が計画しているからこそ、この学園でも相応のゲストの訪問に備えるべし。といったところじゃないかな?」
ラシャはタブレットをしまい込むと、椅子にもたれかかった。
「しかし、一夏がISを動かしたのかあ……ここも騒がしくなるぞ」
「確かにな。これから新たな男性操縦者が現れる可能性も捨てきれない」
「いっそのこと、ここも共学化すればいいんだがなぁ」
さり気なくラシャは学内新聞を手に取りページをめくる。そこには、巧妙に隠されたメッセージがあった。
「●」
「っしゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
思わず千冬が椅子から飛び上がらんばかりの勢いで、雄叫びを上げたラシャがそこにいた。
編田羅赦、本業開始のお知らせである。
その日の深夜。IS学園の寮をぬけ出す人影が見えた。彼女らは音もなくこっそりと廊下を走り、空き教室へと集合していく。
「状況は最悪の一歩手前ってところね」
リーダー格らしき女性教員が眉を顰める。
「そうね、男が入学してくるなんて狂気の沙汰以外に何物でもないわ!!」
それに呼応するように、一人の女子生徒が机を叩く。彼女の怒りに応えるように、他の女生徒や女性教員も不快そうに頷く。
「篠ノ之束の居場所もわからない今、ISコアの量産もめどが立たない状態…こうなれば、今年入学してくる妹のほうを人質に取るしかないわね」
「確かに、姉と比べて妹はIS嫌いの凡人らしいわ。捕まえるのも容易いでしょうし」
「それに此処はIS学園。あらゆる国家に帰属しない学園。何かあっても日本政府は手出しできないわ。たとえ罰せられたって、全て学園経営者に罰が下るんですもの、その前に逃げてしまえばどうってことありませんわ」
議会は、「入学した篠ノ之箒を人質に取り、篠ノ之束に協力を要請するための切り札にする」という内容を結論として閉会した。議長である女性教諭が生徒達をこっそりと寮に帰し、自らも寮に帰ろうとした時、背後から声をかけられた。
「こんばんは、遅くまでお疲れ様です」
慌てて振り向くと、工具箱を片手に用務員が立っていた。この女性教諭は瞬時に新入りの男性用務員だと看破し、内心胸を撫で下ろした。
「…こんばんは」
彼女はこの用務員が嫌いであった。無論、男の分際で学園を職員の末席として闊歩しているという事自体に根ざす徹底的な女尊男卑主義思考を持っているからである。
だが、蔑ろには出来ない。同僚が靴磨きを強要して織斑千冬に粛清された事を間近で見ていたのだ。悔しいが同志以外の教員は概ねこの男には好意的なのである。生徒
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