第27話 聖処女のマスターは中二病
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れた。
「無事か、与一!」
倉庫の扉が突然開かれ、そこにいたのは義経だった。
「義経?何でお前が此処に・・・」
「何でって、いきなり倉庫から光が見えたから何事かと思って気配を探ったら、与一がここに居るのに気づいて慌てて来たんだ!」
義経の指摘通り、倉庫内とは言え、あれだけ派手に光り輝けば誰かが来ても不思議では無かった。
そこで与一はある事に気付く。
「義経これは違う、違うんだ!」
「?何の事だ・・・・・・?」
「こっちの奴は決して怪しい奴じゃ」
「誰の事を言ってるんだ与一?今此処には与一と義経しかいないだろ」
「何!?」
咄嗟に魔法陣の上を見ても、先程の見た金髪の女性の姿が何所にも見当たらなかった。
「寝ぼけてるのか与一?眠いなら一緒に戻ろう。大体何でこんな真夜中に倉庫に居たんだ?」
与一の無事を確認できた義経は安心したのか、欠伸をしながら本邸にある自室を目指して倉庫に背を向けて行った。
1人残された与一は呆然と呟く。
「アレは・・・夢だったのか?」
「いえ、夢ではありませんよ」
「うおっ!?」
尻もちを付いたままの与一の顔を覗き込むように、彼の前に突然現れた女性の存在に大いに驚く。
「霊体化をして姿を隠していました。状況が把握できない現状で、マスター以外に姿をさらすのは如何かと思いまして」
此処でもし彼女を呼び出したのが常識性を持つ一般人なら疑問符を浮かべたり、聞きなれない言葉の幾つかに質問するところだが、仮にもこの年まで中二病が維持されている与一からすればむしろ順応しやすい内容だった。
「そうか。いや、寧ろよく判断してくれた。俺はアンタのマスターである与一だ、宜しく頼むぞサーヴァント」
此処に奇跡が起きた。魔導書にサーヴァントと言う記述は記載されていなかったので、与一がサーヴァントと言うキーワードを知っている筈も無いのに、彼はフィーリングで彼女をそう呼んだのだ。
恐るべき中二病。
「はい、宜しくお願いしますマスター。我がクラスは裁定者のクラス、ルーラー。真名はジャンヌダルク。好きな様にお呼び下さい」
だから説明も要らずに流れがスムーズに進む。表面上は。
「ならジャンヌって呼ばせてもらうぞ?あと、義経を巻き込まないでくれたのは良い判断だった。これからの“組織”との暗闘にアイツを巻き込みたくないからな」
そこでジャンヌは与一の口から告げられた“組織”と言うキーワードに注目した。
「組織――――ですか?矢張りこの世界で起きている聖杯戦争はただ事では無いのですね」
「如何いう事だ?」
「私の様なルーラーと言うクラスは、聖杯戦争に異常が無いかを監視し正すクラスなので、
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